2013年12月10日火曜日

AGUレポート~1日目~

こんにちは。M2の鈴木です。
AGUに参加するため、現在サンフランシスコに来ています。
多田研から参加しているのは、多田先生、杉崎さん、齋藤さん、僕の4人。





今日は、僕と杉崎さんがポスター発表をしました。

午前中はポスターの前に張りついて、現れる人々と片言の英語で議論してました。
ポスター会場が滅茶苦茶広いです。
朝八時のポスター会場。

午後は口頭発表を聞きに行きましたが、時差ボケのせいか、かなり寝てました。
(日本時間+7時間の時差なので、だいたい昼過ぎ=日本の五時過ぎ=いつも寝ているのです。)

そんなわけであまり数は聞けなかったのですが、それでもいくつか面白い発表があったので、タイトルと(自分の理解できた)内容を、3つだけ紹介します。

1.PP14A-04.(口頭・招待講演)
A 2000-year long seasonal record of floods in the southern European Alps reconstructed from varved lake sediments
Stefanie B. Wirth; Adrian Gilli; Anaëlle Simonneau; Daniel Ariztegui; Boris Vannière; Lukas Glur; Emmanuel Chapron; Michel Magny; Flavio Anselmetti
古気候研究のうち、年縞に関するものを集めたセッション(僕もここに出しました)。
アルプスにある湖の、年縞堆積物を用いた研究です。洪水イベント層の認定にもとづいて近代~現代の洪水史を復元している研究です。
面白かったのは、洪水層の上下の堆積相も詳しく観察して、洪水の起きた季節まで明らかにするという点。
例えば

~~~夏の層~~~
~~~洪水層~~~
~~~冬の層~~~
なら春の洪水、

~~~夏の層~~~
~~~洪水層~~~
~~~夏の層~~~
なら夏の洪水、

などといった感じ。


2.PP14A-05.(口頭)
A High-Resolution Lateglacial Pollen Record from the SG06 Lake Suigetsu Core, Japan: Contrasting Mechanisms of Holocene and Bølling Warming
Takeshi Nakagawa; Christopher Bronk Ramsey; C. L. Bryant; Richard Staff; Achim Brauer; Henry Lamb; Gordon Schlolaut; Michael Marshall; Pavel E. Tarasov; Katsuya Gotanda; Tsuyoshi Haraguchi; Hitoshi Yonenobu; Ryuji Tada; Yusuke Yokoyama

SG12掘削でお世話になった(現在進行形でなっている)中川先生の、SG06の研究に関する発表です。
・14C年代測定と年縞計数で、地域間の対比に使える14C年代の較正曲線が出来たこと
・花粉を使った古気候復元(+精密な年代モデルに基づいた、遠隔地域の気候変動との前後関係の検討)から、温暖化イベントはケースによってその様子が異なり、遠隔地で同時に起こったり、ある地域だけで先に起こったりする=温暖化イベントのメカニズムが複数存在する可能性があるということ
を、紹介していました。


3.PP11B-1822. (ポスター)
Orbital forcing of the East Asian summer monsoon based on quantitative paleorainfall records from Chinese Loess using 10Be
Warren Beck; Lara White; Li Cheng; Zhengkun Wu; weijian zhou; Xianghui Kong
杉崎さんの隣で出ていたポスターです。
10Be、7Beというベリリウムの放射性同位体を用いて、数万年スケールの降水量を復元する手法と、それを黄土高原に応用した研究。
10Beは僕の卒論にも登場したり、東大では横山研の中村さんや内藤くんが測定したりしています。
古地磁気変動(あるいは宇宙線量変動)の復元や、侵食速度推定に使えるという知識はあったのですが、降水量復元手法として見ることも出来るんですね。
手法が完璧には理解できなかったので、関係論文を読んでみようと思います。


明日のレポートは、齋藤さんが書いてくれると思います。
研究発表の他にもいろいろと面白いことがあるのですが、まぁ、ぼちぼち紹介していきます。

では。


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