2013年12月12日木曜日

AGUレポート~3日目~

こんにちは、鈴木です。

AGU三日目の発表をすこし紹介します。




1.V32C-07.
Utilizing pyritic δ34S to characterize the depositional conditions of the Neo-Tethys in the Late Permian
Alan Stebbins; Sarah E. Holmes; Gabrielle Fernandes; Jeremy C. Williams; Robyn Hannigan
ペルム紀後期の浅海域の地層で、パイライト中の硫黄同位体を測定して、その示唆するものを明らかにしようとしている研究(だと思います・・・)。
陸域風化強度や酸化還元状態を他のプロキシから明らかにしつつ、それらとδ34Sの測定値について主成分分析をし、その結果に基づいて解釈していました。
Oxic-Anoxic-Euxinic などといった海洋の酸化還元状態だけでなく、閉鎖的/開放的な堆積環境かどうかという違いで、δ34Sの挙動が変わったりするそうです。


2.EP34C-01
The Sediment-Fingerprinting Approach: Uncertainty and Limitations
Allen Gellis; Rajith Mukundan; Philip N. Owens; Alexander J. Koiter; Desmond E. Walling; Ellen L. Petticrew; David Lobb
Sediment fingerprinting Approach というのは、供給源や上流の堆積物の特徴に基づいて、堆積物の侵食・運搬・堆積プロセスを研究すること全般を指すのだと思われます。
多田研でも、自分を含めてかなり多くの人が、Sediment fingerprinting Approach をしているということになります。
この発表はこの手法と、その問題点や不確実性を指摘する内容でした。具体的には、
・供給源の特徴付けをする試料は、供給源においてどこのサンプルを使えば良いのか?
(流出点だけで良いのか?流域全体の平均を取れば良いのか?)
・どのサンプルが「洪水・イベントを代表するもの」だと考えられるのか?
(河床堆積物?氾濫原堆積物?懸濁物?)
・粒度(分画?)や、付着する有機物などといった事柄はどう扱えばよいのか?
・統計的にどのような解析をするべきなのか?
などといった点。
この手の研究において、すべての問題を解決するのは時間・金銭その他の制約で難しいことですが、実現できないとしても、自分がどの範囲まで注意深く研究をしているのかを認識しておくのは確かに重要ですね。


3.EP24B-02 ※火曜日の発表
Influence of bedrock lithology on strath terrace formation in the Willapa River watershed, SW Washington, USA
Sarah A. Schanz; David R. Montgomery
昨日の発表ですが、手法が面白かったので紹介します。
アメリカのとある河川流域を題材にして、母岩の岩相(火成岩or堆積岩)の違いが侵食速度にどう影響するかを見積もった研究です。
この研究では、
・ある地点の持つ集水域面積⇔その地点に流入する河川水流量
・その地点の河道の幅⇔その地点の侵食速度
の代替指標とし、考察に使っています。
もちろん定量性にはかなり疑問の余地があるのですが、限られた領域で多くのサンプル数が得られることや、すべて地形解析のみからデータを取ることができるなどの利点があります。
侵食速度に絡む様々な要素の相互関係を理解するためのアプローチとして、面白いアイデアだなと思いました。



明日・明後日は、齋藤さんをはじめとして知り合いのポスターがたくさん出るので、写真を撮りまくろうと思います。
ちなみに、AGUのポスター会場はこんな雰囲気です。



緑色の垂れ幕は通し番号の上二桁(千、百の位)が書いてあって、遠くからでも目的地がわかりやすくなっています。
一日に3000近くポスターが貼られる日もあり、それがひとつのホールに集結しています。
緑の垂れ幕は上の写真だと7枚写っていますが、実際はこの4倍くらいの広さがあるということでね。





おまけ

関係無いですが、醤油を買いました。
実際あまり使いませんが、あると日本人的な安心感があります。
高かったので、次回は持参しようと思います。

ソイソース

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