2012年10月25日木曜日

表層セミナー:OSL年代測定

前処理の待ち時間30分を使って簡単に。

毎週木曜日は多田、高橋研が参加する表層セミナーが開催される曜日なのですが、
今日は発表者が二人共多田、高橋研関係者でした。

一人目は水月の分析で頑張っているM1の鈴木君。
今日の彼の発表は卒論で研究を行った長江上流域の侵食速度とその制御要因の推定に関係する古い論文
Geomorphic/Tectonic Control of Sediment Discharge to the Ocean: The
Importance of Small Mountainous Rivers
に関するレビューを行ってくれました。

これは侵食速度と侵食速度に関わる要因を現世の川のデータ(堆積物流出量、河川流出量、流域面積、後背地高度)から推測するという論文でした。

侵食という過程は地球上では主に河川(水)or氷によって行われる誰もが知っているような当たり前の過程なのですが、侵食強度関係する要因が沢山ありどの要因が支配的であるかを決めるのが大変難しい地球のシステムです。

この侵食過程について
流域面積と単位面積あたりの侵食速度が負の相関を持つ事から
「流域面積が広い河川では気候や後背地地質による影響を受けにくいこと」
「流域面積の狭い河川では逆に気候や後背地地質による影響を受けやすい」
などという考察を行っていることを紹介していました。
(現在ではさらに詳しい研究が行われていることに注意する必要があります。)


そして二人目は先日の記事で紹介したポスドクの杉崎さん。

彼女はドクターで行われた石英を用いたOSL(光ルミネッセンス)法による精密年代測定に関する研究について主にオホーツク海のコアをケーススタディとした用いた話をされました。

あくまでも石英の供給源推定の研究を行っている自分の目から見た感想ではありますが、
海洋堆積物の精密年代決定に用いられる14C年代に比べて海洋のリザーバー効果を見積もる必要がないのがメリットでありますが、「海洋堆積物中の石英粒子がいつ太陽光の元にさらされて堆積したか」をしっかり吟味を行わなければならない点が重要な手法であると感じました。
 杉崎さんの発表の中ではこの吟味しなければならない部分をさらにこれから調べてしっかりとしたOSLの手法を確立しようということで自分が行っている手法と結構似ている部分が結構あってすごく興味をひかれました。

 彼女の発表が終わった後はごく簡単にセミナーの歓迎会が行われて
現在ちょっと酔っぱらいという状況です。(その模様を写した写真取るのまたしても忘れました)

ではでは。サンプルの前処理に戻ろうっと。

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