2018年4月12日木曜日

週刊葛生 第九十一号 ニュージーランドの鳥編

 みなさんこんばんは。博士3年のMです。


 そろそろニュージーランドの地質の話に飽きてきた頃ですね。

 私は飽きてませんがみなさんが。

 ということで今回は、ニュージーランドならではの写真を大量放出します。

プケコ
 これは飛べない鳥かと思う見た目ですが、「飛びたくない鳥」らしいです。カラフルで良いですね。



Variable oyster catcher
 本当は黒単色以外にもいるらしいんですが、我々が見かけたのは全部真っ黒でした。



ウェカ
 恐竜みたいですよね(分類学的には恐竜ですが)。でもこいつも飛べない鳥ではなく、「飛ぶのが下手な鳥」だそうです。



キタシロアホウドリ (Northern Royal Albatross)
 アホウドリ科が離島以外で繁殖しているのはダニーデンだけだそうです。ちなみにひなはこれでも1〜2 kgはあるそうです。



Red-billed seagull
 和名はわかりません。なにげに最近個体数激減中らしいです。



キマユペンギン
 「飛べない鳥」です。「泳げる鳥」って言ってあげるべきですかね。



カカ
 大型のオウムです。結構賢いです。



サドルバック (Saddleback)
 Saddlebackとは、背中に鞍がある、という意味です。ちなみに同じ名前のワインがおいしいです。



Bellbird
 これは雌なので地味な色ですが、雄はもっと目立つ黄色と緑です。



パテケ
 ニュージーランド固有のカモだそうです。


North Island Robin
 凄い人に近づいてきます。近すぎてピントが合わないことも。



トゥイ
 ウェリントン周辺ではシンボル的存在に感じるくらいたくさんいました。鳴き声も特徴的です。同じ名前のビールがあります。

アジサシ
 移動中の休憩でしょうか?

飛翔!!
 みんな飛び立つと壮観です。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2018年4月7日土曜日

週刊葛生 第九十号 南島で調査編

 みなさんこんばんは。博士3年のMです。

 ついにこの学年になってしまいました。私にとって最後の学生の年になる可能性がありますね。


 さて、今回は南島での調査についてです。

 南島はオークランドやウェリントンがある北島よりも人が少なく、牧草地の割合も多いので、ザ・ニュージーランド的な風景が良く見られます。

広大な放牧地と羊たちです。

 我々の調査地は海岸だったので、こういった風景が見られるのは移動中が主です。

海岸には岩が出ています。

 私が探しているのはこういったもの。

黒と灰色のチャートです。

 いつだってそうですね。石なんてそこら中にあるように思えて、目当ての石となると案外ないものなのです。

褶曲しています。

 またチャートか、と思ったあなた。これは砂岩と泥岩の互層で、パッと見は似ていますが違うものです。


 こちらは別の日。

この日は天気がいいです。

 地層を詳しく見てみます。
割れ目がたくさんですね。

 どうでしょう?普通の岩に見えますか?

 これは、変形されて元の地層がちぎれてしまった岩石です。ですが、こんな石の中にも

コノドントです!

 神は万物に宿りますね。


 ニュージーランドでも、日本のように潮の満ち引きがあります。朝は安全な所にあった露頭も、

左の岩に注目してください。
 昼過ぎには迫りくる波を喰らいます。
波に飲まれています。


 ちなみに、先ほどから水際にたくさん触手みたいなのが生えているのわかりましたか?あれは、ケルプと言って、昆布みたいなもんです。

太いものだと腕くらいあるので、なんだか巨大なイカの屍骸みたいです。

 これが普段は海と繋がらない水たまりに打ち上げられていると、腐って尋常でない香りを立てます。私はそのような水たまりを「腐り昆布汁」と呼んでいました。


 さて、また別の日。

縞縞がずっと続いています!

 ここは変形のほとんどないきれいな地層です。そのような場合、細かい構造も保存されています。
斜交葉理が見えます。。

 右から4分の1くらいのところに入っている明るい層では、灰色の縞のある層が右側の黄色い縞のある層を削り込んでいるのが見えます。つまり、右側ができたあとに左側ができた、すなわち左側が地層の上側だとわかります。

シルト岩(濃い緑)と凝灰岩(明るい緑)です。
 こちらには明るい緑の層が見えますね。これは火山灰層だと思われます。


 近くに寄ると、これにも構造が見えます。
凝灰岩層が火炎構造を持ちます。

 明るい層の上側は上に向かって細くなる炎の様な構造です。これは火炎構造と言い、地層がまだ軟らかかった時に揺らされるなどして、密度の低い層が上に向かってしみ出してくることによってできます。つまり、上が地層が積もったときの上方向です。


地層の中に卵形の塊が入っています
 こちらは、前回も出てきたノジュールですが、リン酸塩ではなく炭酸塩なので色が違います。

 ある層に集中してできていることは、その層にノジュールの材料となる物質が多かったことを伺わせます。


 ちょっとまじめにやってみました。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2018年3月30日金曜日

週刊葛生 第八十九号 Kapiti島編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。

 昨日今日と専攻と講座の納会がありました。私の研究室では一気に学生が少なくなります。


 なんだか、同じ研究室にいると言っても行動を共にした時間は意外と少なかったりするので、去り行く人には名残惜しい気持ちですね。


 さて、


 今日はウェリントンの北の海岸沖にある、Kapiti島という島の話です。この島は、完全に外来種の移入を根絶しようとしている保護区になっており、環境保護の機関に粘り強く交渉した(私ではないが)結果、立ち入りが許可された場所です。

Google mapより。

 しかも、本来行くはずの日程は嵐で不可能となり、日を変えて日帰りに短縮して臨むこととなりました。
当日の朝は願いが届き晴れに。


 当日はそれまでの雲が晴れ、ここ一番の晴れとなりました。



ウェリントンの町に日が当たり始める頃に出発です。

 Kapiti島へ渡る前に、Department of Conservation (DOC)で外来種(特に種や虫)がついていないか荷物を全部ひっくり返して検査されます。だからだいぶ朝早く宿を出ます。

私の鞄はチェックする場所が多く、大変でした。

 島へは船で渡りますが、本土側は遠浅で港がないのでこんなものを使います。
トラクターアンドボートです!

 トラクターで海に突っ込んで行き、船が浮いたところでエンジンをかけるんです。

きれいな海で、時々イルカやシャチがいるそうです。

 Kapiti島は北部に宿泊施設があるのですが、我々は調査のために南端部の、ほぼ誰も人が入ったことの無いところへ行きました。

道などないので頑張って崖を歩きます。

 現地の人もなかなか入れないところということで、楽しそうでした。
案内の方々に説明をする共同研究者のCampbell博士。


 地層は、基本的にかなりぐちゃぐちゃの泥岩なのですが、
変形しています。

 ところどころにこんなものがあります。
黒いリン酸塩ノジュールです。

 これは堆積物中で形成された硬い塊でノジュールと言われ、この場合はリン酸塩鉱物が堆積物の粒子の間に形成されてその部分が固まったことでできたとみられます。こういったノジュールは、地層が変形される前に硬くなるので、その部分に化石があると「保護」され、非常に保存状態のいい化石が見つかる場合があるので重要です。


 ノジュールをいくらか採取できたところで、引き上げとなりました。ただ、引き上げるのも一苦労です。

 上陸時もそうだったのですが、ここは港がないので船で浅瀬に乗り上げ、梯子を下ろして一気に乗り降りし、すぐに梯子を上げて船を離脱させるという方法をとります。この際、船が座礁したり、最悪底を傷つけたりする恐れがあり、特に波がやや荒くなった帰りはハラハラでした。

波が落ち着くのを見計らって船が突っ込んできます。海兵隊の作戦みたいです。


 最後に、同行したDOCの方の要望で、保護区での荷物運びを少し手伝うことになり、少しだけ寄り道できた別の陸地もとても奇麗でした。

美しい森です。

 保護区にわんさかいるらしいという稀少な鳥はほぼみられなかったのですが、たまたま一羽だけ間近でみることもできました。ですが、それはまたの機会に。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2018年3月23日金曜日

週刊葛生 第八十八号 ウェリントン周辺編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。


 今回はウェリントンの周辺でみた地質の話です。周辺編、なんて言いづらいですね。


 実はニュージーランド、日本とは地質学的な共通点が多いんです。なので、日本でもみたことがあるような地層が良く見られます。

 まずこちら。


三畳紀のタービダイトです。

 砂岩と泥岩の互層、海溝に流れ込んだ陸起源の砂や泥だと言われています。やや古い時代のものですが、結構きれいに地層がみられます。
教科書に出てきそうなきれいな絵ですね。
 ちなみにこのスケール、テープになっていてノートに貼付けているのですが、指導教員の知り合いが作った代物で、なかなか便利です。


 砂岩や泥岩がいつもきれいな堆積構造を保持しているかというと、そうもいきません。


 この砂岩に挟まれた泥岩は、構造変形でぐちゃぐちゃです。なぜか。

黒い部分が泥岩です。
 付加体だからですね。日本と同じように、ニュージーランドも太平洋の海洋プレートが沈み込みながら、その上に有ったものを陸側に押し付けているところでできたからです。


 ということは当然、あれもある訳です。


上の白いのはチャート、下の灰色のは珪質粘土岩です。

 こちらの写真のチャートはかなりキテいますね。薄い灰色の粘土岩は、火山灰を含むのかもしれません。



 さらに、海洋プレートに属していた玄武岩もあります。


左の黒いぼこぼこしたのが海底でできた枕状玄武岩です。右の赤いのはチャートです。

 しかしまあ、崖というのは日本だろうがニュージーランドだろうがあまり見た目は変わりませんな。


この下に歩道があるって言うのはちょっと危険な感じでしたね。


 ニュージーランドでは断層でできた地形が日本よりも目立つ気がします。森が無いからでしょうか。


ニュージーランドは木はあまり生えていません。

 こちらの何の変哲も無い崖ですが、


 別の角度からみると、断層面に沿っていることがわかります。



よく見ると、発電機の少し右に、右下へ急に傾斜した断層面が見えます。


 つぎは、閉山した採石場です。
灰色部分は砂岩、黒い部分は泥岩です。やや変形しています。
 たくさん断層が見えますね。
中央に大きな断層があります。断層の周りでは地層が強く変形しています。
 これはかなりでかいです。こいつは付加体が作られた時にできたものかもしれません。


 一日フィールドで頑張ったら、
ビア!


素敵なステーキ!

 ですね。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。