2017年9月22日金曜日

週刊葛生 第七十五号 地質学会松山大会編

 みなさんこんばんは。


 こちら、なんだかわかりますか?

ご馳走です!

 鯛飯ですね。

伊予の名物です。

 鯛飯って言うのは愛媛の中でも地域によって食べ方が違って、こういう風に刺身を載せるものもあるのですね。南予風だっけな?鯛を炊き込むのかと思ってました。


 さて、先週末、松山で地質学会がありました。台風で中日は中止になってしまいましたが。。。


 その後は、巡検ですね。私は、西予ジオパークコースに参加しました。黒瀬川帯のコースです。


 黒瀬川帯は、日本で最も古い地質の一つです。


 シルル系の石灰岩やそれに付随する珪長質凝灰岩などがあります。
はじめのストップの石灰岩(左)と珪長質凝灰岩(右)。

 珪長質凝灰岩と言われているものは、変質・変形した花崗岩ではないかという意見も出ていました。

どうでしょう。。。

 難しいですね。


 こちらは、ジュラ紀の鳥の巣型石灰岩です。黒瀬川帯ではないですが。
ジュラ紀に陸棚から流れ落ちた斜面堆積物です。

白いのは貝の断面です。

 化石がたくさんですね。断面と既知の貝の三次元構造を照らし合わせて解説して頂きました。



 最後に、こちらはまぎれも無く花崗岩。ただ、色々な岩石と入り交じったり、変形したりしているようでした。

流動したような構造があります。

 黒瀬川帯、難しいですね。

この巡検に間に合わせてつくったそうです。


 以上でした。


 雑すぎましたか?

 物足りない方には、次回の予告です。次回は、今日までやっていた徳島調査の模様です。






 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年8月20日日曜日

週刊葛生 第七十四号 葛生の蛭編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。


 夏本番だというのに、雨ばかりですね。

 「蛭」って知ってます?「ひる」と読みますが。

 森の中にいて、動物の血を吸う硬くて短いミミズみたいな生き物です。

 安心してください。写真は出てきませんから。


 上の雑な説明だと、超最悪な生き物みたいに聞こえますが、まあだいたいそんなところですね。日本の蛭はだいたい山蛭なので、森の地面にいて、動物に乗っかると吸い付いて血をすって生きています。普段は鹿なんかを糧にしているようです。

 血を吸うと言っても、蚊やアブみたいに傷口が腫れる事はほとんどないですし、あまり痛くも痒くもないです。ただ、ヒルジンとかいう物質を注入してくるので、血が止まらなくなります。逆に、蛭にとっては飲みホーな訳です。

 とはいえ傷口はそこまで大きくないので身に危険が及ぶ出血は起きないですし、数日も経てば塞がってかさぶたが痒いだけになります。

 要するに血を吸うムシとしては害は少なめなんですが、いかんせんそのビジュアルのきもさから蚊より遥かに嫌がられているように思います。蚊が嫌いで夏の調査をしたがらない人は聞いた事無いですが、蛭が嫌だから調査は冬が良いという人はそれなりにいますね。

 結局、見た目が100%なんですかね。



 おやおや、前置きがずいぶんと長くなってしまいました。実は、葛生は結構蛭がいる事で有名なんです。

 じゃあ何で今まで話題にしなかったかって?葛生のイメージダウンに繋がるからでしょう。実は、私が調査をずっとしていた仙波川の辺りには蛭がいないんです。実際、大釜の露頭では蛭に噛まれた事が無いです。

 だから、宿の人に「秋山(旧葛生町の中でも最も奥の群馬よりの地区)の方は蛭が多いんですよ」なんて言われても、葛生の蛭なんて伝説だと思ってたんです。

 ところがですよ、この間の6月に、その秋山に行った訳ですよ。

 そしたらいまくるじゃあないですか。

秋山川上流、森沢沿いの廃道。

 こちら、森沢という沢沿いの林道なんですがね。普通こんな乾燥した落ち葉もないところに蛭は多くはないんです。しかし、脇の露頭を見ようと草むらに10秒くらい立っていたら、両足の靴にいらっしゃる訳です。

 慌てて虫除けをかけましたね。

 あ、そう、蛭ってのは、なぜか虫除けに含まれるディートで死ぬんです。軽くかけたくらいでは死ななくても、間違いなく丸まって転がり落ちて行きます。ですからみなさん、蛭がいるところには虫除けをもって行動しましょうね。

深堀沢の支流。放置林になっていますね。
 次にこちら、深堀沢という沢の支流に入ったのですが、ここはもう大変でした。立ち止まるともう四方八方から足に向かってシャクトリムシのように蛭たちが向かってくるのが見えました。その度にディートを乱射していたので、わずか2時間くらいで100 mL以上の虫除けを使いました。おかげで無傷でしたが。

 しかし、不思議なのは、そのとなりの栃岡沢という沢には、蛭がいなかったって事です。1 kmも離れてないんですけどね。

栃岡沢。こちらも放置林です。

 写真もこんな感じ。見た目は深堀沢の支流とあんまり変わらんですがね。


 ちなみに大釜の露頭の周りはこんな感じ。

大釜の露頭の脇です。
 いそうですけどね。いないんですね。これが。



 不思議。


 最後に、秋山=蛭というイメージがつくといけないので、秋山のいい景色をご紹介します。

 集落はこんな感じ。たいへん長閑です。

かなり民家は少ないです。

 結構険しい山もあるんですね。チャートでしょうか。

道路から沢を取り囲む山を望む。

 さすがに葛生だけあって、石灰鉱山はちゃんとあります。
葛生市街付近とはまた別の企業です。良い露頭が出てますね。

こちらは、廃鉱になっていますね。

 小麦畑が多く、6月には小麦が実って、いい景色になってました。

麦秋です!

 良いところでしょう?


 次回は、蛭除け講座でもしましょうか?

 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年7月22日土曜日

週刊葛生 第七十三号 いまさら秋田編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。


 明日から(もう今日ですが)東京大学地球惑星科学専攻のシステム講座の多くの人たちは秋田で巡検をするそうです。



 すごいですねぇ。





 ということで、今更ながら我らが研究室の昨年の秋田調査に参加した様子をお見せしようと思います。

 私は、1学年上の黒川さん(当時D2)と2学年下の神崎くん(当時M1)が行う調査に傭兵として同行しました。あぁ、賃金は発生していないので、どちらかと言うと志願兵ですかね。


 私は主に神崎くんのフィールドに配属されました。


どぶ川小川の脇の露頭を観察する神崎くん。

 神崎くんのフィールドは、こんな感じの、お世辞にも露出が良いとは言えない地域でした。
泥アンド草アンド汗です!


 それでも草を掻き分け、常に泥水に浸かりながら調査します。塹壕戦みたいですね。

 今回のシステム講座の巡検ではここには行けないそうで。残念!


 時にはちょっとしたご褒美も。


ちょっと良い露頭を、ここぞとばかりにじっくり見る神崎くん。



 黒川さんのフィールドにも行きましたが、こちらは、まあ、格差を感じましたね。


これが修論を書いた人と書く前の人の差なんです!・・・・と言うのは嘘です。


 なんだかこの先秋田は天気が悪いようですが、私も秋田は雨のイメージですね。


雨が強いのでザックカバーをかけています。

 まあ、どうせ足下はいつもずぶ濡れだし、どうでも良いって感じですがね。


あまりの湿気にカメラが曇っています。


 思い返しても、楽しい調査でしたなぁ。


 膨大なサンプルを協力して採ったり。
20 cmおきに採られたサンプルたちの列です。


 ダート道を走って新しい露頭を見つけたり。
新しい林道には新しい出会いがあります。

 崖の上のサンプルを採りに行ったり。
そうまでして欲しかったサンプルとは一体、なんなのでしょう笑?

 みんなで薮こぎして露頭を探したり。
黒川さんとのフィールドでの珍しい2ショットです!



 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年7月14日金曜日

週刊葛生 第七十二号 IGCP630安家巡検編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。


 さてさて、今回は何回か前にやった国際会議IGCP630の巡検の続きの話です。

 葛生で巡検があった話をしましたが、その後第二弾の巡検が岩手県岩泉の安家で行われ、私も案内者の一人として参加しました。こちらでも紹介されていますが、我が研究室の公式な広報機関はこのブログですからね。ちゃんと紹介しておきましょう。

 でも、まじめな話はあちらに任せておきますね。


 さて、岩泉の安家地域では我らが高橋聡先生が卒論の頃から研究を行ってきました。

 というわけで、

高橋先生がメインの解説者を務めます。

 さらに、高橋先生にコノドントを教えた宮崎大学の山北先生も昔からこの地域の付加体を調査しています。

チャートを割ってコノドントを探す山北先生(左)と中国のコノドント専門家のZhao Laishi教授(右)。

 私もこの方々に野外でのコノドントの探し方を教わったのですが、山北先生や私がチャートを割ってコノドントを見つけているのを見て、海外からの参加者たちも次々と参戦します。
中国代表前衛。
中国代表後衛。
イギリス代表。
オランダ代表。


 結果は20対0くらいで日本代表の圧勝でしたね(笑)まあ、そんなにすぐに皆ができても困りますからねぇ。でもみなさん楽しまれているようで何よりでした。

 それに、良く晴れていたのもラッキーでした。コノドント探しに必要なの執念と光と信仰心少しの幸運ですから。


 参加者のみなさんのもっぱらの関心は、深海堆積岩層中のペルム紀−三畳紀境界です。そもそも、この時代に起きた生物絶滅事変を題にした会議ですからね。

深海堆積岩層中のペルム紀−三畳紀境界を前に。

 高橋先生は露頭だけでなく、我々の調査道具も自慢していました。

秘密兵器です!

 説明のあとには、皆で集合写真。

葛生巡検の集合写真よりも迫力があるのは、気のせいですね。

 高橋先生も満足そうですね。

 巡検2日目には、さらに古い石炭紀にできた深海堆積岩層も観察します。

石炭紀のチャートは、日本でも珍しい方です。

 草とネットの合間から見えるへぼい露頭を観察するというジャパニーズスタイルも、葛生から一緒の参加者は慣れてきたのかもしれません。


 それから、1日目とは異なるところにある、“もう一つのペルム紀−三畳紀境界”も見ました。こちらは私も初めてです。

大鳥集落付近にある“もう一つ”の方。

 ペルム紀−三畳紀境界はもちろん皆の注目の的でしたが、そもそも深海堆積岩の層状チャート自体が海外の研究者にとっては珍しいものなので、堆積物としての特徴についても色々と質問を受けました。

日本の地質の「当たり前」を知らない地球科学の専門家に納得してもらえる答えをするのはなかなか能力が試されます。

 2日とも晴天に恵まれ良かったです。

ペルム紀のチャートの上で記念撮影。


 見学後にはいつも調査の拠点としている安家松林の集落内にて休憩しました。この巡検自体も岩泉町の皆様に大変なご協力を頂いて成立しました。感謝が絶えません。

修復されたばかりの路肩が見えています。

 昨年の台風被害の爪痕も残る中、巡検を受け入れてくださったこと、ありがたい限りです。最後に参加者の多くはお礼の気持ちもこめて集落内の売店でビールを買ってお金を落として行きました。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年6月30日金曜日

週刊葛生 第七十一号 調査の後始末編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。

 東京は雨ですねぇ。

「お前が東京に帰ってきたから!」

 って思ってるんじゃないですか?私がいた間、津久見は大雨から守られていましたよ?


 そもそも戻ってきたことを知らないって?それもそうですな。


 昨日大分から運転して、
津久見−福岡空港間は下道で250 kmです。

 福岡から飛行機で夕方に東京に帰りました。


 今回は、調査から帰った翌日に起こる様々な出来事について書こうと思います。


 調査が終わったら一息、とはいかないんです。


 まあ、とりあえず大学に出勤しますね。疲れたので社長出勤ですが。

雨ですね。いやだな〜。

 屋根付の駐輪場はわずかなので、仕方無くチャリには濡れてもらいます。


屋根付駐輪場はいっぱいです。
 我が大学は盛んに新しい建物を造っておりサグラダファミリアですが、そのうちいろんな駐輪場に屋根をつけてくれるでしょうか?

 研究室では、まずこれが始まります。

会計士になります!

 領収書の整理です。研究費で請求するものとそうでないものが混在してますからね。必要なものはコピーを取ったり事務に提出したりします。パソコンは自分の研究費およびポケットマネーの経済状況を把握するためのエクセルを開いています。

 これでだいたいおやつの時間になります。ちょうどその頃

サンプル襲来。多い時は一台の台車で運べません。

 郵送したサンプルと調査用具たちが届きます。

 これらを運んで行きます。
運びます。
運びます。。
運びます。。。



 運ぶ先は、標本保管庫です。

地下に保管庫があります。

 ここで荷解きをします。

段ボールを明けて中のサンプル袋を明けます。
何でしょう?
 何やらクモに捕まった虫みたいなのが入っていますね。

開けると石が出てきました。

 壊れやすいサンプルを包んでいたのですね。

 中には

「臭っ!」

 密閉されて香りを発し始めているものも。だからこうして開いて乾燥させるのが大事なんです。


 これで終わったと思ったあなた。

「まだまだ終わらないぞ!何リラックスしてんだ!」

 このあとフィールドノートを使います。

ノートを取り出してパソコン室へ行きます。

 何をするかと言うと、

1ページずつスキャンします。

 スキャンです。画像データとしても保管しておくためです。

 スキャンにも時間がかるので、ちょいちょい同時に作業をします。

自分のパソコンを同時に開いて時間を活用します。

 何か背中に書いてありますね。


大分のお土産です。

 じゃあブログ書くなよ、って話ですね。


 こんな調子で調査の翌日はほぼ何も生産せずに終わります。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。