2017年2月4日土曜日

週刊葛生 第五十七号 ミンティアの相棒編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。

 昨日で修論発表会が終わり、昨夜は打ち上げでした。最後の方はお祭りのようでしたが、我が研究室の修論生そして卒論生の3人も、楽しそうで何よりでした。おつかれさまでした。
バンザーイ!


 学位論文の時期には追い込みの切迫感が伝わってきますね。ということで、今回は皆様お待ちかねの、ドーピングシリーズ第二弾です。


 私はいろいろあって昨日までの9日間で練習も含めて50件以上の発表を聞いたのですが、さすがに聞いている方も疲れてきます。そこで大活躍するのがこれです。

ミンティア

 あのナウシカさんもこんなことを言ってましたね。

『風の谷のナウシカ』(徳間書店)より。

 ミンティアを食わされたアスベルくんはカッコつけてますが、映画ではこんな感じになってましたね。
映画『風の谷のナウシカ』より。

 しかし、疲れがたまってくるとこれくらいでは目が覚めません。もっとこんな風になりたいというとき、
『千と千尋の神隠し』より。
 ミンティアと合わせて他のものを摂取することを勧めます。


 それでは、例によってグレードの低いものから。

お茶。
 冷たい方が良いです。それに、お茶自体にもカフェインが入ってますね。ちなみにこのお茶、同室の同僚のものを勝手に写真撮っちゃいました。もちろん、飲んではいませんよ。


炭酸水
 これはなかなか強烈です。炭酸が強ければ強いほど効果は高いです。ミンティアを噛んで、ちょうど口の中から溶けたかな、くらいの時に飲むと効果が高いですよ。

ピノ
 これ、大した事なさそうに思うかもしれませんが、結構強烈です。以前、友人と旅行していた際にたまたまミンティアを食べながらピノを食べてしまったことがあり、その時にこの組み合わせのすばらしさを知りました。無論、ピノを味わうことはかなうはずもありませんが。

 このピノの経験を踏まえ、さらに性能を向上させたのがこちらです。

アイスの実
 要するに氷なら何でも良い訳ですが。これはもはや拷問に近いので、ある程度覚悟して使った方が良いです。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年1月29日日曜日

週刊葛生 第五十六号 コノドント言葉編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 昨日から、早稲田大学で古生物学会が開催されています。私も、示準化石を扱う身として発表を申し込みました。


 というわけで、今回はこれにちなんでコノドント言葉編。


 ほら、花言葉ってあるでしょう。それと同じで、コノドントも各種類に連想させる感情やらがあるんですねぇ。全て私の主観ですがね。


Triassospathodus homeri
 コノドント言葉は「安定」。私が研究している地層では比較的しばしば出てきます。ああ、ここもhomeriの年代かと何度も思ったことがあります。安定して地層の年代が決まるというのは、ありがたいことです。



Novispathodus abruptus
 コノドント言葉は「始まり」。上のhomeriにかなり似てますね。私がまだ学部生の頃、両者は別種だと教えられ、その辺りからコノドントの見分け方に敏感になってきました。ある意味思い出深い種ですね。



"Neohindeodella benderi"
 コノドント言葉は「だめ押し」。この種は一つの層準からやたらと多産することがあります。年代が決まるので、出てくることは嬉しいのですが、一層準から50標本とかになってくると、ちょっともう良いかな、ってなります。でも、鎌のようなとても特徴的な形状のおかげで、室内の顕微鏡観察を待たず、野外でのルーペでの観察で種名まで決まりやすいです。



Chiosella timorensis
 コノドント言葉は、「輝き」。この種は指示する年代がかなり狭いため、年代指標種としてとても有用です。私の卒論も、そして明日の学会発表も、彼らの放つ燦然とした輝きに照らされたおかげで人様に見せる意義がだいぶ強まっています。



Paragondolella bulgarica
 コノドント言葉は「執念」。この種の標本は、「なんとかここの年代を決める化石が欲しい」、と思いながらもコノドントの破片すら殆んど出ないというような悲惨な地層でひたすら化石を探し続けまくっていたら、期限ギリギリに出てきた、というケースが何回かあります。



"Neohindeodella triassica"
 コノドント言葉は「安心」。かなり幅広い年代から産するので、年代指標としての価値は低いですが、これが出てきて「この地層もちゃんとコノドントいるんだ」と安心させられたことも多いです。



Nicoraella kockeli
 コノドント言葉は「一匹狼」。この種は、なぜか他の種がほとんど出ないところにひっそりと出てきています。年代指標としては有用であり、誰もいないところで一人で仕事をしてくれるんですね。尊敬します。



Paragondolella excelsa
 コノドント言葉は「待望」。ずいぶん前から一目見たかった種。昨年8月にようやく会えました。


Conservatella conservativa
 コノドント言葉は「一撃」。地層の年代について意見が分かれていたある場所で、2 mm近いこの巨大な標本が野外で見つかったことで、一瞬にして決着がつきました。まさに一撃。



 まだまだありますが、そろそろ寝たいので今日はこの辺で。

 あんまりこんなことばかり書いてると気が狂れてると思われますしね。

 ところで、今日は学会会場で、高校生ポスターとして発表していた高校生を含め、葛生つながりの方々何人かとお話ができました。葛生熱いですね!


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年1月20日金曜日

週刊葛生 第五十五号 レンタカー編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 今日は私のセミナー発表で、2時間立ちっぱなしでいささか疲れました。


 さて、今回は、調査の準必須品でもあるレンタカーについてお話ししようと思います。


 無論、レンタカーは常に必須品なわけではないですが、これが有るのとないのとでは機動力と運搬力に絶大な差が出ます。

 そんな、足にもなり、倉庫にもなり、雨宿りの場にもなり、たまには食堂や住居にもなる車ですが、みなさんはもし調査にいくならどんな車を借りますか?


 私の答えは簡単ですね。



 ずばり、安いやつ。

 レンタカー代ってのは出張費の半分以上だったりしますしね。

 そこで、借りるのはコンパクトカーが多いです。

ヴィッツ (トヨタ)
ヴィッツ 乗員2人までなら荷物も十分載る。
 一番使用頻度が高いですね。小さくて小回りが利きますし、林道で切り返しなんかも楽です。あと、個人的にフロアシフトでサイドブレーキがレバー式がなじみやすいので、ヴィッツは扱いやすいですね。


パッソ (トヨタ)
 何度か乗りましたが、昔なので印象がないです。こんなかわいい感じの車、山に連れてって良いのかな、と思った覚えは有りますが。コラムシフトなのでヴィッツとの選択で選ばなくなりました。


フィット (ホンダ)
 コンパクトカーの中では、フィットは少し車体が長めです。なので荷物も他より多く載ります。しかし、長い割に小回りはヴィッツとかと同じくらい利く気がします。ハンドルの効きが良いように思いましたね。


 ここまでは、多分一番安いクラスですね。ですが、探してみるともうワンランク上も同じ値段で借りられたりします。

ラクティス (トヨタ)
ラクティス 荷物が多く載るので調査用具とサンプルが多い時に便利。
 高さが有り、荷室も広いので3~4人以上乗っけて短期の調査なら、これくらいがベストかもですね。荷物がおおいなら2人でもこのサイズでしょう。なんだか見た目も頑丈そうで好きです。インパネシフトでサイドブレーキはフットペダルなんで、運転席周りも広めに感じます。癖でフロアシフトのところに手をやってしまい、飲み物をとっちゃう。


ファンカーゴ (トヨタ) でこぼこの激しい林道では座礁の危機。
 確か今販売されていないので、中古車のレンタカー屋限定です。床が低く、座席下に収納があったり足を伸ばしやすかったりしますが、その分最低地上高が恐ろしく低いので、荒れた林道での調査には向きません。

ラウム (トヨタ)
 これも中古でしか借りられないと思います。後部席のドアがスライド式というちょっとしたネタをお持ち。車内の容積はフィットかちょっと小さいくらいに感じます。


モビリオ (ホンダ) 扉全開で冷却中。
 これは、ミニバンでしょうかね。四角いです。一度しか乗ってませんが、やたらに視野が広く、頭上のスペースが広かったです。荷物も多めに載りますかね。


 レンタカー屋によっては、さらに上のクラスも比較的安めに借りられたりします。

カローラフィールダー (トヨタ)
カローラフィールダー 上部に取っ手付き。
 5人乗りと7人乗りが有ります。長期の調査で3人以上ならこれくらいのサイズの方が良いですかね。その分の荷物も載ってきますからね。車体長めですが、少し狭い林道でも場所を選べば切り返しできます。

ストリーム (ホンダ)
 カローラフィールダーと同じクラスですが、若干大きいです。5人以上になってくるとストリームの方が好いですね。荷物載るかっていう問題も出てきますが。以前乗った車両は、坂道を全然登りませんでした。


ウィッシュ (トヨタ)
 たいていのレンタカー屋ならウィッシュはカローラフィールダーやストリームよりワンクラス上になるようですが、そのお金の分広くなっているかと言われると、微妙な気がしますね。


プロボックスバン (トヨタ)
 最後に変わり種。これは業務用バンで、後部席は基本人を乗せずに倒すので、後方に広大なフルフラットの床が有ります。ここ、180 cm近い長さが有るので、巨漢でなければ車中泊できちゃうんです。最低地上高も15 cmあるので、ダートの林道に入って行って、これをベースキャンプに調査、なんてのも可能ですね。


 なんか、よく見たらトヨタとホンダだけですね。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2017年1月13日金曜日

週刊葛生 第五十四号 西丹沢を放浪編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 そして、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 そしてそして、皆様のお陰で週刊葛生は先週をもって二周年を迎えることができました。


 二周年で第五十四号と言うことは更新の頻度は…





 ね。



 まあ、それはともかくですよ。先週末は三連休でしたね。学位論文提出の方々にはそんな事関係なかったかもしれませんが、私は西丹沢に2泊3日で行って参りました。


 具体的には、世附川という川が流れる、北を山梨の道志、南を静岡の駿河小山に挟まれた、神奈川最果ての地です。


世附(よづく)川
支流の沢。水が多く、緩やかな沢に木々が生える奇麗なところです。


 神奈川県にもこんな滅びた寂れたところがあるんだなぁと思ってしまうようなとこです。

 さて、何をしに行ったかというと、


世附川沿いに露出する緑色片岩。

 上の写真、岩が緑色ですが、表面に生える苔の色ではありません。これは、海底火山から噴出した火山灰や溶岩のかけらが、地下数kmの場所で変成されて緑色の鉱物が多く形成されたから緑色なんです。

 丹沢山地には、このように一度地下深くで変成された岩石がまた地表に出てきて広く露出しています。今回は、それをちと見学してきました。



 さらに面白いことに、あまり深くまで移動せず、強い変成を受けなかった、言わば「半熟」の岩石も見られます。


赤褐色の溶岩(上)と火山礫と火山灰からなる火山砕屑岩(下)。
丸い灰色の火山礫がやや緑がかった凝灰岩基質の中にあります。火山礫に入っている白いものは、礫のもととなった溶岩が発泡した気泡です。

 こういうところから、変成される前の「原岩」の様子が探れます。


 さらに、突然変成されていない岩石と変成された岩石が共存することも。


緑色片岩に明灰色の安山岩が貫入しています。

 変成岩が浅所まで上がってきたあとに、マグマが貫入したのですね。地質の難しさを感じます。


 そして、山の奥へいくとこんな岩も。


黒い鉱物である角閃石を多く含む角閃岩です。

 黒いですね。これは、緑の岩石と同じ程度の圧力(つまり地下の深さ)で、より高温に変成されるとできる岩石です。では、なぜ高温になったのか?


 それは、さらに沢をつめて行くと分かります。


閃緑岩。

 花崗岩(厳密には閃緑岩に近い?)ですね。しかも、かなり大きい岩体です。丹沢トーナル岩体、などと呼ばれ、西丹沢の山々のうち道志村と山北町の境付近はこれでできています。

 この花崗岩のもととなったマグマが、周囲にあった緑色の岩石を熱して黒色の岩石に変えたんですね。

 また、沢の源頭部では、このような基盤岩の上に堆積した富士山などの火山灰も見られます。
赤褐色は風化した火山灰、白色はパミス、黒色はスコリア。



 ところで、先ほどの写真に映り込んでいる御仁、同じ専攻の人ではないんです。大学1年の時からの知り合いで、良く一緒に山に行くのですが、彼は植物を専門としていて、私が岩を見ている間に植物を観察しています。


倒れた大木を見て着生した植物をチェックする御仁。



 可能な時は株を持ち帰ることもあるようです。こんな感じですね。


ナウシカ

 また、持ち帰った株は栽培するそうです。まさにこんな感じですね。


『風の谷のナウシカ』より。


 と言うことはですよ。我々のコンビは、こんな感じですね。


ナウシカ&ポム爺さん(from 『天空の城ラピュタ』)

 三連休は東京は雨だったようですが。
深いところでは10 cm以上。

 丹沢の山の中は雪でした。
雪の積もった沢。鬱陶しい、いや、美しいです。

 これから寒い日が続くのでしょうかね。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2016年12月30日金曜日

週刊葛生 第五十三号 葛生化石館・続編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。


 パソコンはなんとか生きてます。



 今年最後になりますが、以前紹介した聖地、葛生化石館の紹介が超雑だったので、この間もう一度行った時に撮った写真をいくつか紹介しようと思います。

 外観は以前も見せたかもしれませんが、今は隣の建物の工事が終わってずいぶん奇麗になっています。

夏来た時は周りが工事中で良い写真が撮れなかった。


 ここ、館外にも展示があるんです。

何気なく落ちている石灰岩。
近づいてみるとフズリナがいっぱい。

これが、『君が代』にも出てくるさざれ石です。

 きっと、葛生の石灰業者が協力してこれらの展示物の採取とここまでの運搬をしてるんでしょうね。


 館内には、葛生でペルム紀の石灰岩が見られることにちなんで、古生代、特にペルム紀の化石の展示に力を入れています。

ペルム紀の世界です。日本では出ない珍しい化石も。

 葛生で出たものももちろん混じっています。三葉虫が出るとは!

中央やや下左。葛生から出た三葉虫。


 そして、忘れてはいけないのは葛生名物、石灰の展示ですね。これもきっと業者さんが協力しているんでしょう。

石灰にもいろいろあるんです。この辺は聞いたことあるでしょうか?
こっちはかなりマニアックな感じですね。


 まあ、都内からも近いことですし、ぜひ実際に行ってみてください。


 最後に、ついでに葛生を含む佐野市の名物、佐野ラーメンを。

佐野市に来たらこれを食わないと。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。