2013年8月30日金曜日

秋田調査

 こんばんは、M1の黒川です。ブログ初投稿です。
 只今秋田で調査を行っていまして、今回の調査を少しと前回の調査について紹介します。

 調査のターゲットは女川層というmiddle Mioceneの珪質岩を特徴とする層で、シリカや砕屑物の量が周期性を持って変化しており、その堆積リズムを解明しようというのが研究の目的になります。そのために女川層の連続柱状図を作成するというのが調査の目標です。

 前回は7/5~7/11に調査を行いまして、調査地域の選定のために男鹿半島、五城目地域、矢島地域と秋田県のあちこちへ行きました。多田先生、高橋先生、水谷さん、久保木さん、私というメンバーで行きましたが、この中に強烈な雨男または雨女が居たのでしょう。終始雨、終始大雨警報。雨だからと言って宿で指をくわえて待っているわけにもいきませんので、びしょびしょになりながらも調査を行いました。
 男鹿では、先行研究において密に調査してあった場所の露頭が護岸されて見れないという災難がありました…。しかし、第四紀の氷期・間氷期サイクルに伴う海水準変動に起因する堆積サイクルを安田海岸で見れたのは良かったです。
 五城目地域は連日の雨によって川の水位が上がっていてとても調査が出来るような状況ではありませんでした。
 矢島地域でも雨の影響で子吉川沿いの露頭は見れなかったのですが、陸上の露頭(久保田川北)では調査が行えました。
 岩相はシリカの含有量によって硬さやそして割れ方が異なり、私の調査ではシリカの量が多い順にポーセラナイト(po)、muddy ポーセラナイト(mud po)、珪質頁岩(sil mud)、泥岩(mud stone)とに分類して柱状図の作成を行いました。

出っ張っているのがmud po、へこんでいるのがsil mud

 今回の調査は、前回行えなかった子吉川沿いの露頭や久保田川北の露頭の柱状図を作成するというのが目的です。一昨日と昨日は天気に恵まれ、川の水位も低かったため子吉川沿いの露頭にて調査を行えました。ここの露頭は連続性が良く、連続柱状図の軸になるポイントだと思います。
 今日はあいにくの雨で、とりあえず子吉川へと行きましたが早速濁っていてまたかよ…という感じでした。
 天気が気になりますが明日以降も気合を入れて安全に注意をして調査を行いたいと思います。

mud po とsil mud の互層

前回の調査メンバーが見ていない静穏時の子吉川

2013年8月22日木曜日

東北調査

少し前の話になりますが、7月上旬に行った調査の報告をさせていただきます。
7/57/12M1の黒川君の秋田調査、7/127/15は水谷の北部北上調査、7/15~7/17は東北大の方との宮古調査と、多田研メンバーが入れ替わり立ち代わり東北に足を運びました。
秋田調査に関しては黒川君にお任せして、ここでは後半部について触れます。

☆北部北上調査☆
目的は私の修論用サンプル採取です。男性陣に手伝ってもらい、電動カッターを使って連続性のいいサンプルをとることができました。

採取の様子です。はねた岩片を拾えるように後ろでも待機しています。



 泥まみれになって頑張ってくれました。ありがとうございました。

☆宮古調査☆

チャート層から、微化石用のサンプル採取を行いました。



指導教官の指導教官にお会いしました。
この写真はノギスの使い方について教わっているところです。
自分の先生が生徒になっている様子はなかなか新鮮でした。

2013年8月17日土曜日

いよいよIODPによる日本海掘削の始まりです


多田です。統合国際深海掘削計画(通称IODP)による日本海、東シナ海掘削のための航海Exp 346 に主席研究員として参加しています。航海の目的は、日本海及び東シナ海の堆積物を連続的に採取し、アジアモンスーンとそれに伴う気候、環境変動を過去1000万年間以上にわたって高精度で復元すること、復元されたアジアモンスーン変動がヒマラヤチベットの隆起やそれに伴う偏西風経路変動とどう関係したのかを明らかにすることにあります。

航海には、日本(8)、アメリカ(11)、ヨーロッパ(7)、韓国(3)、中国(2)、オーストラリア、ブラジル、インドから各1名の合計34名の科学者が参加し、24名の支援スタッフ、63名の乗組員の協力のもと、アメリカの科学掘削船Joides Resolution (JR)号(18,000t)を使って、730日~929日までの2か月間に渡って行われます。掘削は、日本海で7地点、東シナ海北部で1地点を予定しており、合計で約6kmの厚さの堆積物(柱状に掘りぬいたものをコアと呼びます)を掘りぬく予定です。82日にアラスカ州のバルディスを出港し、2週間かけて南下し、本日(817日)にやっと日本海に入りました。長い移動期間ではありましたが、おかげで書く研究者が船上での観察、記載、測定、試料採取、保管などの一連の作業の手順やコンピューター、分析機器の操作法に習熟すると共に、乗船研究者同士がお互いの専門や興味、性格などについて良く理解し合うことが出来、とても有意義だったと思います。準備が万端に整い、あと数時間でいよいよ最初の掘削地点JB-1(北海道北部沖)に到着します。
 
JR号 バルディスにて
 
烏田君も頑張っています。(左:池原さん(産総研)。右:佐川さん(九大))
 
航海の様子は、http://www.facebook.com/JapanDrillingEarthScienceConsortiumに随時報告しています。