2015年1月8日木曜日

週刊葛生 創刊号

 みなさんこんばんは。修士1年のMです。

 年も明けたことですが、少し遡って昨年末に行った調査のお話をしたいと思います。昨年12月28日に、栃木県の葛生という場所で調査をして来ました。ここではそのときのお話を、、、とも思ったのですが、実はこの場所には何度か来ているので、今までのことも含めて紹介してしまおう!ということで、何回かに分けて葛生調査にまつわるいろいろなお話を書いていきたいと思います。

 葛生というのは、栃木県佐野市の南部とその周辺の地域のことを言っています。昔は葛生町という町が有りましたが、今は佐野市に合併されてしまいました。ちなみに佐野市には、こんな人がいます。




さのまるくん

【性別】 男
【生年月日】 2011年2月25日
【住所】 栃木県佐野市
【職業】 侍
【受賞歴】2013年ゆるキャラグランプリ







 葛生の主要産業は石灰岩採鉱です。今でもじゃんじゃん掘り続けています。

また、葛生の石灰岩にはフズリナがたくさん入っていることが有名です。町中には葛生化石館という博物館も有ります。そのせいか、この町の人は化石のことを良く知っています。調査帰りの格好でお土産を買っていると、

「化石取ってきたの?フズリナ?ウミユリ?」

と聞かれます。しかし、葛生の地質は石灰岩だけではありません。こんなものがあります。
チャートです。遠い昔、大海原の深い底に降り積もった蟲たちの殻が、固い岩石になったものです。なぜそんなものが日本の山奥にあるのか?それは「付加体」と調べればわかります。

 簡単に言うと、海底がプレート運動で日本の下に沈み込むときに、その上に乗っていたものの一部が沈み込まずにくっついているんです。だから「付加」体。お好み焼きを焼いたあとに、ヘラでこべりついたカスを剥がしてると、そいつらが今度はヘラにくっついてきますね。そういうことです。
 でもって、私はそんな昔の深海の底で溜まってできた岩石を調べに行っているのです。どれくらい昔かって?それは、またのお話にしましょう。石灰岩と違って、目で見える大きい化石はありませんが(眼力を高めれば見えるようになりますが)、地層の縞々がはっきり見える点では、ザ☆地学って感じのインパクトはありますね。
 写真の中のスケールが1メートルですが、この厚さのチャートが溜まるのに数十万年かかったんです。なにしろ、チャートの元になったプランクトンは放散虫と呼ばれる1ミリにも満たないちびども(↓こいつでだいたい0.5ミリ)ですから。

 これが何メートルも何十メートルも続く訳ですから、とても長い間、海底で同じ地層がリズミカルに作られて行く営みが続いていたんですね。

 しかし、実は海底でチャートが作られなかった時期もあるのです。そんな事件が起きていた時代のことを調べるために、私は一昨年の秋から何度かここに足を運んでいる訳です。

 今回はここら辺にして、次回には調査の様子でもお伝えしたいと思います。

 それでは、ごきげんよう、さようなら。

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