みなさんこんばんは。修士1年のMです。
今回は、お約束通り葛生地域でやっていた調査の作業についてお話をします。調査している場所は古い石灰鉱山跡にあります。
こんな感じの鉱山跡です。今はもう車が入れないので、なるべく近くまで車で調査用具を運んでから、少し山を歩いて露頭に着きます。そして、いざ、露頭を見る。
って、ちょっと待てや。
どこに露頭が有るんよ?ん?
最初に露頭に着くときにはしばしばこんな感じです。そこで、観察を始める前に、我々は二つのことをしなければいけません。
工事。
そして掃除。
これらを済ませると、こんな感じで露頭が現れます。これでやっと観察ができます。
これじゃあ元の写真でどこがどこだか分かりませんが、ほぼ同じ場所です。なんでこんなに暴虐の限りを尽くすかというと、しっかり露出させないと本当にちゃんと積み重なった地層を見ているのか分からんからです。上の写真でも、3カ所断層で地層がズラされています。見つかるかな??
さて、そういえば前回、この地層がいつできたものか説明してませんでしたね。それをどうやって調べるかって言うと・・・
「この辺りの石には、コノドントが含まれているんだよ。」
コノドントというのは、ちっちゃい魚みたいな生き物の歯みたいなものです。「みたいな」ばっかりで解りにくいですが、詳しくはこちらを↓
要するに、時代ごとにこの「歯」が違う形をした生き物が泳いでいたから、出てくる化石の種類を見分けることができれば、地層の時代がわかるって訳です。
「どれ、見せてやるかな。」
これが石を割って出てきたコノドントです。ちなみにキラキラしてるのは黄鉄鉱です。こんな調子で野外調査中に地層の年代が決まってくれれば楽なのですが、なかなかそうはいかんのです。実際はこんな具合で化石を抽出するためのサンプルを採って帰り、実験室で探すことになります。その作業については、また今度。
この場所にはこれまで4回調査に来ました。
第一回 偵察 2013年9月
学部時代です。
第二回 卒論調査 2013年11月
一週間かけての本調査。
第三回 追加調査 2014年9月
大軍を率いて攻撃。
第四回 冬の陣 2014年12月
先日行った追加調査。
葛生は意外と近いので、こうして何度も来られる訳ですね。次回号では、そんな意外と東京に近い葛生の町について紹介したいと思います。
ちなみに、途中で出てきた露頭に見える断層は、こちらの赤い破線の通りです。どうでしたか?見えました?
それでは、ごきげんよう。さようなら。
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