2015年5月10日日曜日

週刊葛生 地質の日特別号 博物館編

 みなさんこんばんは。修士2年のMです。

 今日5月10日は地質の日だそうです。何やら、広域地質図が日本で初めて作られた日だとか。


 地質の日を記念して、秩父地方にある博物館に行ってきました。


 まずは、長瀞にある埼玉県立自然の博物館。

 入るといきなり巨大なサメの顎があります。

 ちなみに、ここ長瀞は日本地質学発祥の地なんです。
 まさに、地質の日に訪れるのにふさわしい博物館ですね。

 地質に関する展示が充実しています。こちらは、長瀞周辺で見られる岩石の展示。

 そして、等身大の露頭の模型。
 風化の具合や割れ目のでき方まで細かに再現されていてすごいです。本郷の院生室の壁にしたい。

 秩父地方に見られる様々な時代(石炭紀〜第四紀)の岩石や化石の展示があります。こちらはおよそ1500万年前に海岸に生きていたという、パレオパラドキシアと呼ばれるほ乳類。三体とも秩父地方で見つかった化石を基にしたレプリカだそうです。たしか。
 すごいですねぇ。わたしもこのくらいのものを見つけたいですな。

 そしてこちらは、秩父鉱山で見つかった鉱物だそうです。
 秩父鉱山は、古生代や中生代にできた地層に、中新世にマグマが貫入してできた鉱床です。それを400年以上前に武田信玄が見つけたのが元になり、20世紀まで金属を採っていました。悠久の歴史を感じますね。


 この博物館では、地質だけでなく、生き物の展示もしています。

 くまさん。

 乙事主様!
 イノシシってでかいんですね。



 さて、ここで昼になったので、博物館の近くにあるいくつもの蕎麦屋から選んで昼食です。



 うちだ!!

 そして食後には近くの甘味どころでかき氷。

 腹ごしらえもできたところで、次の博物館を目指します。その名も、


 おがの化石館。

 秩父地方の小鹿野町の中心から少し東の外れにある小さな博物館です。近くにある「ようばけ」という場所とともに化石好きの人にはそれなりに知られている(?)と頃です。ちなみに、ようばけは化石館の裏に見えている崖のことで、近づくとこんな感じ。



 浅い海の化石がでるそうですが、落石が多いので注意が必要です。左下の巨岩は高さ2メートルくらいあるのですが、今年の2月に落っこちて来たそうです。こわやこわや。

 さて、博物館ですが、名前の通り化石の展示がほぼ全てです。

 こちらにもパレオパラドキシアがいます。産出場所の一つはこのおがの化石館に近いそうです。先のようばけの地層も含め、この近くの地層からはたくさん化石がでるそうで、ここでは地元の高校の先生等が見つけた標本が寄贈されています。

 そして、床に無造作に大きい化石がおいてあります。

 他にも、海外で産出した様々な地質時代の化石があります。
 我らが大先輩(かその親戚)、ユーステノプテロン。鰭に手のような骨がある3億8千万年前の魚です。


 白亜紀の海の王者、モササウルス。海生は虫類です。




 大変楽しい博物館巡りでした。車が無いと一日に二つ回るのは難しいですが、片方を見てから、近くの地質を巡検、というのも良さそうですね。



 さて、ここからは宣伝です。筆者の出身学科である理学部地球惑星環境学科が、五月祭(5/16土、17日)に展示企画をやるそうです。私たちの代もやりましたが、今年はホームページ(http://ut-eps2015.wix.com/terrashouse)からして気合いが入っていますね。ぜひ行ってみてください。東京大学本郷キャンパス理学部一号館です。

 それでは




 なんですか?いつものめんどくさいネタみたいなのは今日は封印かって?


 何のことだか解りませんな。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2015年5月9日土曜日

週刊葛生 第十号 火星の水編

 みなさんこんばんは。修士2年のMです。

 週刊葛生も記念すべき十号目を迎えました。

 なかなか週刊にはなっていませんが、月刊よりは高頻度でしょうかね。




 本日は某書類の締め切りがありました。まぁ、まだ修正期間が続くのですが。


 にしても、締め切りの度に睡眠時間を削ることになるのはなんとか改善したいところです。スタジオジブリの言葉を借りるなら、


「睡眠不足は良い仕事の敵だ。それに、美容にもよくねぇ。」



 しかし、私の美容が気にするほどのものであるかどうかはともかく、フィオ嬢のこれは、イメージ的に良くないですね。


「ちゃんとリポD代も、請求書に入れときますからね。」

 こんなことするから、夜中にポルコの顔が間違って人間に見えたりするんですよ、お嬢さん。




 うむ。似てませんね。




 ともかく、土壇場でドーピングに頼らずにすむよう、前々から良く計画を立てることが大事ですね。



 しょうもない前置きはともかく、本日は地球惑星科学専攻のシステム講座で行っているセミナーの一つ、地球惑星科学コロキウムが開催され、大気海洋研究所佐野研究室の小池さんの研究のお話を聞くことができました。

 小池さんのお話は、火星から飛んで来た隕石中の特定の鉱物について年代測定と水素同位体比の分析を行い、火星の表層に存在していた水の量を過去にさかのぼって推定しようという試みについてでした。

 火星と言えば現在はこんな感じですが、
 (写真はイメージです)

 昔は水がたくさんあったと考えられているそうです。で、その大部分は宇宙に散逸してしまって、今はカラっからになっちゃったと言われているらしいです。ちなみに、4年前に筆者が訪れたときはこんな感じ。



 でもって、宇宙に散逸していくときに普通の水素原子の方が、質量数が2の重水素原子よりも散逸しやすいとのこと。だから、水がなくなっていくにつれて、火星では誕生当初から水素原子に対する重水素原子の割合が徐々に増えていったそうです。


 そこで、火星でできた鉱物の形成年代と、水素原子に対して重水素原子がどれだけあるかをもとに、鉱物ができた時代に火星にどれだけ水が残っていたかを見積もる、と言ったとても興味深い話でした。



 もっと詳しく知りたい人もいるかもしれませんが、専門外からあまり無責任なことも言えないので、とりあえずはこの程度で。



 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2015年4月16日木曜日

週刊葛生 第九号 四コマ漫画編

 みなさんこんばんは。修士2年のMです。

 また二週間空いてしまいました。少し忙しかったんです。



 ところで先日、こんなものが見つかりました。

 例によって粘土岩から見つけたコノドントなのですが、左上、よく見てください。なんだかたくさんありますね。

 これ、おそらくコノドントの採餌器官のセットになっているのです。いつも写真で出してる一つ一つは、いわば我々の歯一本のようなもので、これの写真のようにセットになっていれば、顎の一部が残っているようなことになりますね。ちょっと珍しいので、公開してみました。

 しかし、http://satcy.ninja-web.net/Satoshi_TAKAHASHI/yan_jiu_shao_jie.htmlを見れば分かりますが、この標本では全部は揃っていません。コノドントの顔3分の1くらいでしょうか?



 今更ながら、今までの写真で「コノドント」と言っていたのは採餌器官(歯みたいなものの集まり)のほんの一部なんです。どうやって一部だけになっちゃったかって言うと、大概こんな感じでしょう。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

追記:最初の画像の意味がよくわからなかった方はhttp://tada-takahashi-lab.blogspot.jp/2015/02/blog-post_12.htmlを見てくださいね。

2015年4月3日金曜日

週刊葛生 第八号 本郷の桜編

 みなさんこんばんは。


 このブログはついに、この記事で100編目の公開になるそうです。

 ついに私も







 修士2年になりました。


 今日は、本郷キャンパスから桜の様子をお届けしましょう。


 東大病院の近くにそれなりの桜並木があります。
 夜はこのようにライトアップされております。

 近くに花見で有名な上野公園もありますが、こちらは静かで良いですねぇ。


 22時までならお花見ができます。ただ、毎年ここの桜は開花が平均よりわずかに早いので、気をつけないと散ってしまいます。



 この写真はちょっと怖い雰囲気ですね。




 ちなみにこれが上野公園です。
 本郷キャンパスの圧勝ですね!!


 また、本郷キャンパスの北西にある小石川植物園(地味に東大の施設なので、学生証で入れるそうです)の近くには、播磨坂という有名な桜並木があります。


 毎年祭りをやっています。


 夜も結構奇麗ですよぉ。


 そろそろ東京の桜は盛りが過ぎましたが、葛生では満開になるころなのでしょうか?

 いよいよ葛生と全く関係ないないようになって来ていますが、今年度もぼちぼち続けていこうと思います。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2015年3月27日金曜日

週刊葛生 第七号 送別会編

 みなさんこんばんは。修士1年のMです。

 この季節、修士1年と名乗るので正しいのでしょうかね?


 本日は、修士、博士号を取得して卒業される先輩方や、転勤される方の送別会でした。
集合写真1

 皆さん、今までおつかれさまでした!楽しく過ごせたようで良かったです。


集合写真2

 今年度は、五人も研究室を離れることになりました。寂しくなりますが、めでたく学位を取得されたというのは研究室一同にとってうれしいことですね。


 先輩の演説風景。




 来年度は、どんな一年になるのでしょう・・・

2015年3月17日火曜日

週刊葛生 号外

 みなさんこんにちは。修士1年のMです。


 このブログは閑話休題したまま更新されていないようですね。ネタ切れかって?

 そんな訳ないじゃないすか。


 ボスや先輩方は、この間北海道に行っていたそうですよ?

 それに、今も中国に調査に行っているとか。



 すごいですねぇ。。




2015年2月20日金曜日

閑話休題-八木調査

はじめまして、多田研新顔のB4内田です。
週刊葛生の更新を待ちわびていた方も多いと思いますが、
今週は私が担当させていただきます。

私の卒論の最終提出は今月末に迫ってきました。
そこで今週はその卒論のために行った野外調査の報告でもしようかと思います。

2014103日~7日、京都府南丹市八木町にて野外調査を行いました。

調査地域はこんな感じ。

数多くの観光名所がある京都市街!!
…から西にひと山越えたところにある、八木町船枝という地域です。
ええ、もちろん学術調査のために行っただけなので、観光などし…て…ません。
(実際調査後直帰でした。)

泊まった宿も京都らしく、純和風な感じでした。

宿の方、大変お世話になりました。

私だけ6時間ほど先に現地入りして、周辺調査をしていたのですが、
宿の方のご厚意で、お孫さんがかつて使っていたという自転車を貸していただきました。
近くの小学生とすれ違った時、なぜか防犯ベルを鳴らされたのも今となってはよい思い出。

調査は、山の中をぐいぐい進んで…

週刊葛生第五号にあったように、装備はばっちりですね。

露頭発見!
かなりデカいですね。

写真は露頭のほんの一部です。全部はとても写真には収まりきりません。
ちなみに右下が自分です。念のため。


チャ、チャアトだ…赤い露頭だ…

赤いチャートが層状に重なっているのが分かるでしょうか。
よくみるとチャートとチャートの間に何か薄い層が挟まっているように見えます。
この、チャートと薄い層が交互に重なり、それが10メートル近く続いているのです。

こんなところで調査をしてきました。
少し雨に降られることもありましたが、ほぼ順調に調査を終えることができました。


神々しいですね。

あまり調査に来たぜ!って感じの写真を撮っていなかったので、
調査に協力してくださった先生、先輩方から一部写真をいただきました。
次の調査からはもっとたくさん撮ろうと思います。

それではこの辺りで失礼いたします。