2012年4月20日金曜日

4/19表層セミナー

個人的な備忘録も兼ねて。。

今日は木曜日なので表層セミナー開催日。

発表者は茅根研のD2井上さんとうちのラボの久保田さん。
セミナーは毎回二人が発表を行うのですが、新年度の最初はドクターの方が
「基礎講座」を行っています。
この基礎講座は新たに入るM1に研究の基礎知識を知ってもらうために開かれています。
表層セミナーは研究手法や分野がホントに多彩で自分と全く対象、手法の違う人がいるので少しでも他の人の研究を理解をしてもらうためでもあります。

今日の発表は二人とも基礎講座でした。
内容は井上さんが「サンゴ」久保田さんが「東アジアモンスーン」

「サンゴ」と言っても色々な視点から研究は行われています。
井上さんはまずサンゴ内での褐虫藻との共生関係について
生化学的なアプローチでの説明(光合成とサンゴの骨格(CaCo3)形成までの流れ)から始まり
最終的にはサンゴ礁形成の過程(主に地形学の視点から)についてまで説明が行われました。

途中サンゴ骨格の形成過程での同位体分別の話からサンゴ骨格を用いた古水温復元の話に飛び、茅根研の研究員である中村さんが飛び入りで講義というハプニング(笑)も。


次に発表された久保田さんは 一転変わり気候の話。

まず世界における気候の季節性を確認してその駆動要因(主に海と陸の熱容量の違い)を説明してから現在の大陸、海洋の配置によって現在の世界気候の季節性が説明できることを改めて確認。

その後ユーラシア大陸(チベット高原等も含め)によってアジア地域に大規模なモンスーン(季節風)が駆動されており、この中の夏の東アジアモンスーン(日本だと梅雨などに該当)がどのような位置づけになるかを説明。

そして観測結果によりこの夏の東アジアモンスーンの指標がいくつか提唱されてはいるけど、現在の段階だとどれも1長1短であること。

最後に東アジアモンスーンが周りの地域の気候要素(偏西風やインドの海水温など)に影響を受けており、例として冬の東アジアモンスーンとENSO((El Nino Southern Oscillation(エルニーニョ・南方振動))に相関があることを説明されました。

発表はこのような感じでした。



来週は別のドクターの方が全く別の話題で基礎講座をやられるので
こうご期待!
(それまでにこの講座を消化しないとね。。シュクダイガ......)

2012年4月15日日曜日

新年度初セミナー

どうも。新年度になりましたね。

私の院生部屋にも新たに新入生がやってきました。
これでやっと居室の下っ端脱出です。

そして新年度初めての表層セミナーが水曜日にですが執り行われました。
表層セミナーはごく簡単に説明すると私達の研究室が所属しているセミナーで、
同じシステム科学講座の茅根研究室、新領域の田近研究室と合同で行っています。

私達の研究室内でさえ年代スケールが現在~2億5000万年前、研究手法もばらばらですが、
表層セミナーではそれがさらに拍車がかかっています。
そのため他の研究分野に常に触れることができとても勉強になります。

今回は新年度初めのセミナーということでセミナーのガイダンスと
新入生の自己紹介を兼ねた卒業研究発表。

卒業研究発表は自分がなぜが座長になってしまい大変だったので撮り忘れましたが、
6時20分頃終了予定が7時前に伸びてしまうなどとても盛況になりました。

そしてこのセミナーが終わった後はお決まりの。。。

そう。歓迎会です。

途中まで自分が楽しんでたので、結構時間が経ってますが雰囲気は分かって頂けるかと思います。











(人気者のA君の話を真剣に聞くドクターと新M1の図)


自分は途中(といっても10時半ぐらいですが)で抜けたので
最終的にどうなったのかが分かりませんが、
聞いた話によると11時過ぎまでやっていたとか。盛り上がって何よりです。

今年表層セミナーに新たに入って来たのは5人(6人になる可能性もあり)
これから楽しくやっていければいいですね。

そしてこの飲み会の話で「表層セミナーを一回柏キャンパスで行おう」となりました。
現在そちらを進めており、6月開催に向けて少しづつ動いています。

開催したらこの模様も記事にしますね。

では。今度は新入生の紹介か新たにうちのラボに納入された実験機器の紹介かなぁ。。。

2012年4月13日金曜日

新着論文

D3になりました久保田です。

Quaternary Science Reviews からの新着論文です。
New paper about East Asian summer monsoon has published in QSR.


Title: Anti-phased response of northern and southern East Asian summer precipitation to ENSO modulation of orbital forcing

Author: Shi et al. 

URL:  http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0277379112001060
QSR, 40, 30-38.

--Summary--
They analyze modern observational SST and precipitation data. The important point is that they discuss the difference in response of ENSO (eastern Pacific SST) on  southern and northern precipitation in China at present. 
For paleo, they use transient model to show the different response of insolation change on precipitation in southern and northern China for last 300ky. The precession maxima correspond to precipitation max in northern China and to precipitation min in southern China.





2012年3月29日木曜日

年度最後のランチミーティングと・・・

初投稿になります。多田研M2の烏田です。

今日は今年度最後のランチミーティング。
今年度末は大規模な測定機器が入ったり(これは後々ブログに載せますね。)
いつも以上にどたばたしていましたが、
なんとか無事に終えることができました。

そしていつも通りに終了となった所で・・


明日が多田先生の誕生日ということで秘書の杉原さんが
お手製のシフォンケーキを作って来て下さいました!

バースデーケーキですので火をつけて・・


そして・・



さすがにこの歳なので歌はありませんでしたが、
この後ラボの人達みんなでおいしく頂きました。


杉原さんのお話によると今回は健康に気をつけてる
多田先生のことを考えて青汁を入れたそうです。
(写真でも少しケーキが緑かかっているのがお分かりでしょうか?)

青汁?と思いの人もいるかと思いますが、ふわふわでとてもおいしかったです。
ほとんどの人がおかわりをして一瞬でケーキが消えてしまいました。


このケーキパーティーの与太話としては

杉原さんがカット用にお持ちになった電動ナイフ?が好評でした。
(参考アドレス)
http://www.amazon.co.jp/%E9%9B%BB%E5%8B%95%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%95-Decker-9-Inch-Electric-Carving/dp/B004P14Y5M/ref=sr_1_3?ie=UTF8&qid=1333023900&sr=8-3

パンなど柔らかいものを切るのに非常に便利だということで、
多田先生が非常に興味を持っておられました(主に堆積物コアを切る目的で)


明後日で3月が終わり、いよいよ新年度になります。
新しいメンバーも迎えることですし、
また面白いことがあればその都度更新ができればと考えております。
それでは!

2012年3月18日日曜日

ニュージーランド調査報告。

ニュージーランド北島の調査を終え、首都ウェリントンより北に位置するLower Hutt にやってきました。
これから、Lower Huttにある研究所GNSscienceにvisiting scientist として滞在し、採取した岩石試料をもとに研究活動を行っていきます。

さて、ここまでの地質調査の様子を少し紹介します。

 日本から参加したメンバーは、竹村厚司教授(兵庫教育大)私のコノドント師匠、山北聡准教授(宮崎大)、私高橋、相田吉昭教授(宇都宮大)田村隼人さん(宇都宮大)です。また、GNSscience からはHamish Campbell、Chris Adamsの両名が、モツタプ島の調査に同行して下さいました。
 相田先生、竹村先生、山北先生をはじめとした日本人微化石研究者によるニュージーランドの地質調査は20年以上続いており、私が調査に参加するのはこれで6回目になります。

 まず、はじめに地質調査を行ったのはオークランドの東に位置するMotutapu 島です。4日分の食料と寝袋を準備して、WaterTaxi を利用して島に上陸しました。

 初日は、先行研究の地質図データをもとに島の岩相分布を確かめました。写真は、海洋プレート層序の上部をなす砂岩の露頭です。こちらでは、Grey Wacke と呼ばれています。




 次の日からは、昨年より本格的に研究を始めたAdministration Bay に露出する三畳紀チャート連続露頭の調査を行いました。地層分布・地質構造のマッピンッグ、示準化石探し、微化石・地球化学分析サンプルの採取を皆で協力して行います。結果、いくつか興味深い結果が得られてきましたので、今後データを整理して発表していきたいと思っています。




 モツタプ島の調査のあとは、車でオークランドを約250km北上し、Whangaroa Harbourに移動しました。Harbourの沖には、ペルム紀ー三畳紀のチャートからなる小さな島、アローロックスがあります。この島には世界的に希少な、南半球中緯度の深海底で堆積したペルム紀/三畳紀境界層が存在しています。

 竹村先生が懇意にしている漁船をチャーターして、毎日島に上陸して調査を行います。
 条件の良い露頭が観察できるのは、潮が引いたわずかな時間のみ、ここでも皆で協力して地質データをまとめ、サンプルを採取しました。




たくさんの岩石サンプルを日本に発送する手続きを済ませ(私のサンプルはLower Huttへ)、
調査隊は14日に解散しました。

 持ち帰ったサンプルから、微化石年代、当時の生物の進化、当時の海洋環境ようす・・などなど、様々な課題の解明を目指していきます。

2012年2月29日水曜日

南半球より

高橋です。


昨日、ニュージーランド北島オークランドに到着いたしました。

 これから、北島の付加体地質に残る三畳紀の深海地層の地質調査を行います。

ニュージーランドの基盤岩の多くは中生代に付加した付加体からなり、その上に新生代の堆積物が重なっています。どこかの国の地質とよく似ていますね。
 
 北島の中心部オークランドには付加体の基盤岩上に第三系の堆積物が重なっており、また、第四紀の火山活動によってできた玄武岩やスコリアからなる小さな山が沢山あります。
 写真は、その山のうちのひとつ Mount Eden の頂上よりオークランドの街並みを写したものです。





 海の向こうに火山島がみえますが、さらに奥に位置する島が第1の調査地点です。

 今日は、調査活動で使用する用具や、寝袋などの生活用品を調達しました。

 今回の調査でどんな発見が待っているかとても楽しみです。



2012年2月12日日曜日

2月11日 表層セミナーOBOG会開催

昨日(2月11日)表層セミナーのOBOG会が739号室で開かれ、多田、茅根、田近、安藤、白井、高山、加藤、松下、藤根、高橋、長島、松岡、野上、南、杉浦、堀内、池田、野津、久保田、王、吉田、安部、鈴木(23名)が出席し、昔話に花を咲かせました。また、先輩後輩の新しい出会いもたくさんあったと思います。OB,OGの人たちはは皆、様々な分野で、生き生きと活躍しており、頼もしく思いました。今回、参加できなかったOB,OGも来年は、是非参加して下さい。会を企画した、松岡さん、藤根さん、久保田さんに感謝です。写真は、藤根さんが撮ってくれたものです。