2012年3月18日日曜日

ニュージーランド調査報告。

ニュージーランド北島の調査を終え、首都ウェリントンより北に位置するLower Hutt にやってきました。
これから、Lower Huttにある研究所GNSscienceにvisiting scientist として滞在し、採取した岩石試料をもとに研究活動を行っていきます。

さて、ここまでの地質調査の様子を少し紹介します。

 日本から参加したメンバーは、竹村厚司教授(兵庫教育大)私のコノドント師匠、山北聡准教授(宮崎大)、私高橋、相田吉昭教授(宇都宮大)田村隼人さん(宇都宮大)です。また、GNSscience からはHamish Campbell、Chris Adamsの両名が、モツタプ島の調査に同行して下さいました。
 相田先生、竹村先生、山北先生をはじめとした日本人微化石研究者によるニュージーランドの地質調査は20年以上続いており、私が調査に参加するのはこれで6回目になります。

 まず、はじめに地質調査を行ったのはオークランドの東に位置するMotutapu 島です。4日分の食料と寝袋を準備して、WaterTaxi を利用して島に上陸しました。

 初日は、先行研究の地質図データをもとに島の岩相分布を確かめました。写真は、海洋プレート層序の上部をなす砂岩の露頭です。こちらでは、Grey Wacke と呼ばれています。




 次の日からは、昨年より本格的に研究を始めたAdministration Bay に露出する三畳紀チャート連続露頭の調査を行いました。地層分布・地質構造のマッピンッグ、示準化石探し、微化石・地球化学分析サンプルの採取を皆で協力して行います。結果、いくつか興味深い結果が得られてきましたので、今後データを整理して発表していきたいと思っています。




 モツタプ島の調査のあとは、車でオークランドを約250km北上し、Whangaroa Harbourに移動しました。Harbourの沖には、ペルム紀ー三畳紀のチャートからなる小さな島、アローロックスがあります。この島には世界的に希少な、南半球中緯度の深海底で堆積したペルム紀/三畳紀境界層が存在しています。

 竹村先生が懇意にしている漁船をチャーターして、毎日島に上陸して調査を行います。
 条件の良い露頭が観察できるのは、潮が引いたわずかな時間のみ、ここでも皆で協力して地質データをまとめ、サンプルを採取しました。




たくさんの岩石サンプルを日本に発送する手続きを済ませ(私のサンプルはLower Huttへ)、
調査隊は14日に解散しました。

 持ち帰ったサンプルから、微化石年代、当時の生物の進化、当時の海洋環境ようす・・などなど、様々な課題の解明を目指していきます。

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