2013年8月22日木曜日

東北調査

少し前の話になりますが、7月上旬に行った調査の報告をさせていただきます。
7/57/12M1の黒川君の秋田調査、7/127/15は水谷の北部北上調査、7/15~7/17は東北大の方との宮古調査と、多田研メンバーが入れ替わり立ち代わり東北に足を運びました。
秋田調査に関しては黒川君にお任せして、ここでは後半部について触れます。

☆北部北上調査☆
目的は私の修論用サンプル採取です。男性陣に手伝ってもらい、電動カッターを使って連続性のいいサンプルをとることができました。

採取の様子です。はねた岩片を拾えるように後ろでも待機しています。



 泥まみれになって頑張ってくれました。ありがとうございました。

☆宮古調査☆

チャート層から、微化石用のサンプル採取を行いました。



指導教官の指導教官にお会いしました。
この写真はノギスの使い方について教わっているところです。
自分の先生が生徒になっている様子はなかなか新鮮でした。

2013年8月17日土曜日

いよいよIODPによる日本海掘削の始まりです


多田です。統合国際深海掘削計画(通称IODP)による日本海、東シナ海掘削のための航海Exp 346 に主席研究員として参加しています。航海の目的は、日本海及び東シナ海の堆積物を連続的に採取し、アジアモンスーンとそれに伴う気候、環境変動を過去1000万年間以上にわたって高精度で復元すること、復元されたアジアモンスーン変動がヒマラヤチベットの隆起やそれに伴う偏西風経路変動とどう関係したのかを明らかにすることにあります。

航海には、日本(8)、アメリカ(11)、ヨーロッパ(7)、韓国(3)、中国(2)、オーストラリア、ブラジル、インドから各1名の合計34名の科学者が参加し、24名の支援スタッフ、63名の乗組員の協力のもと、アメリカの科学掘削船Joides Resolution (JR)号(18,000t)を使って、730日~929日までの2か月間に渡って行われます。掘削は、日本海で7地点、東シナ海北部で1地点を予定しており、合計で約6kmの厚さの堆積物(柱状に掘りぬいたものをコアと呼びます)を掘りぬく予定です。82日にアラスカ州のバルディスを出港し、2週間かけて南下し、本日(817日)にやっと日本海に入りました。長い移動期間ではありましたが、おかげで書く研究者が船上での観察、記載、測定、試料採取、保管などの一連の作業の手順やコンピューター、分析機器の操作法に習熟すると共に、乗船研究者同士がお互いの専門や興味、性格などについて良く理解し合うことが出来、とても有意義だったと思います。準備が万端に整い、あと数時間でいよいよ最初の掘削地点JB-1(北海道北部沖)に到着します。
 
JR号 バルディスにて
 
烏田君も頑張っています。(左:池原さん(産総研)。右:佐川さん(九大))
 
航海の様子は、http://www.facebook.com/JapanDrillingEarthScienceConsortiumに随時報告しています。

2013年6月26日水曜日

IODPプレクルーズトレーニング@高知

皆様お久しぶりです。D1の烏田です。

今日から多田高橋研究室の多田先生、杉崎さん、私は高知のコアセンターにて
IODP Exp.346 Asian Monsoon向けのプレクルーズトレーニングに参加しています。

IODP(Integrated Ocean Drilling Program)Exp.346の詳細については下記のHPを参照してもらえるとよろしいのですが、
今年の7月29日から9月28日にかけて日本海+東シナ海にてJOIDES Resolution(以下JR)というアメリカの研究船を使って大規模掘削を行う国際プロジェクトです。
http://iodp.tamu.edu/scienceops/expeditions/asian_monsoon.html

co-chief(乗船研究者のリーダーの1人)として多田先生が乗船される他、乗船研究者として多田研究室関係者はOBの入野先生、杉崎さん、OGの久保田さん、私が参加することになっています。

今回のプレクルーズトレーニングは、これまでにJRにおける掘削時作業の話を実際に参加された研究者から聞いたり、かつて日本海で採取されたコアを観察などを乗船前に行うことで来月から始まる掘削時の活動レベルを高めようという目的で開催されています。

一日目の今日は、まずJRで行われる堆積物の回収から船上分析、保管までの流れ、そして研究者が船上で行うべきことについて座学で学びました。今回のExp.では堆積物をトータルで6km以上取得するという予定のため、船上では12時間2シフト制で休む事なく非常にシステマチックな形でコアの観察や船上分析を続けることになっています。
海底堆積物掘削を一度も体験したことのない自分にとっては、今日の座学は学ぶことが多すぎてまだまとめきれていません。このブログ書き終えたら今日得た知識を整理して明日に望む予定です。

そして明日はODP leg127で1989年に採取された日本海の様々な堆積物を実際に観察して来月の航海に備える予定です。
今年四月に出版された多田先生の本の表紙に日本海の堆積物が使われるなど、1989年のODP leg127に参加されてから多田先生を魅了して止まない日本海の堆積物を実際に見られるということで個人的にとても楽しみにしています。

では。
                               (明日のトレーニングに向けて英気を養い中)

2013年6月3日月曜日

ガイダンスとラボツアーが行われました。

5/31(金)と6/1(土)に地球惑星科学専攻の修士課程入試ガイダンスが行われ、終了後には多田・高橋研のラボツアーが行われました。

粒度分析装置の解説をする鈴木さん。

ソフトX線写真撮影装置を説明する水谷さん。

参加してくださったみなさん、ありがとうございました!
またこのラボでお会いするのを一同楽しみにしています。

(久保木)

2013年6月2日日曜日

6月1~3日城ケ島実習2日目

 6月1~3日にかけて、学部3年生の地形・地質調査法実習のために油壷に来ています。行く前の天気予報は、1日夕方から2日午前中は雨、しかも梅雨入り直後の本格的雨と言うことだったので、覚悟していったのですが、晴れ男の高橋さんが1日夜から参加したためか、2日の午前中は、曇りはしたものの、雨は全く降らず。午後は、晴れ時々曇りと、うれしい誤算となりました。午前中は、城ケ島の南岸の向斜軸付近に分布するピンクの凝灰岩層が何枚あるかを検討し、詳細な柱状図を作るというものです。環境学科を出られた皆さんには、なじみの実習だと思います。好天に恵まれたうえ、今年の3年生は、全員がまじめで積極的なため、作業がどんどん進みました。彼らがより良い柱状図を作成できるよう、凝灰岩層の写真を載せます。卒業生のみなさんは、覚えていますか?

 下の層準の凝灰岩層全容

下の凝灰岩層下部拡大
 上の凝灰岩層
一番上の、火炎構造を持つ凝灰岩層

2013年5月15日水曜日

修士入学ガイダンス後ラボツアーのお知らせ

5月31日(金)・6月1日(土)の両日,東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻の修士課程入試ガイダンスが行われます(http://www.eps.s.u-tokyo.ac.jp/admission/guidance.html).
この日は初めに専攻全体のガイダンス,次に基幹講座別のガイダンスが2回行われますが,2回目の基幹講座別ガイダンスの後,多田・高橋研のラボツアーを実施します.

時間: 両日とも16時40分ごろ開始
集合場所: 理学部1号館851室
回る場所: 理学部1号館650室・X線実験室など
内容:
  ・鉱物組成分析装置 (電子スピン共鳴測定装置、蛍光X線解析装置等)
  ・堆積物の化学組成分析装置(X線粉末分析装置, X線マイクロスキャナ等)
  ・研究試料(化石、岩石研磨標本等)

事前の連絡等はとくに要りません.当日は院生も対応しますので,研究内容や雰囲気など気軽に質問してもらえればと思います.
それでは,ご参加お待ちしています.

(齋藤)

2013年5月14日火曜日

連合大会発表リスト

5月19日(日)から24日(金)にかけて,地球惑星科学連合大会が幕張メッセで開催されます.多田研メンバーも以下の通り発表するので,興味のある方はぜひ聞きにいらしてください(メンバーが第一著者・発表者となっているもののみ載せています).

5月19日 M-IS28 遠洋域の進化
・遠洋域ペルム紀三畳紀境界層における硫化物硫黄同位体比の挙動 / 高橋 聡

5月20日 H-CG33 堆積・侵食・地形発達プロセスから読み取る地球表層環境変動
・河川堆積物粗粒画分の供給源推定に基づく8Ma以降の崑崙山脈隆起活動史復元 / 烏田 明典

5月20日 A-PE34 古気候・古海洋変動
・Pliocene anisotropy of magnetic susceptibility (AMS)  from the Wilkes Land margin / 杉崎 彩子
・アルケノン古水温に基づく完新世日本海表層水温境界変動の復元(ポスター) / 安部 雅人(多田 隆治)

5月21日 A-PE34 古気候・古海洋変動
・東アジアモンスーンの千~万年スケール変動、進化とヒマラヤ-チベット隆起、北半球氷床発達とのリンケージ / 多田 隆治
・水月湖年縞堆積物中の砕屑物組成に基づく完新世降水量復元の試み / 鈴木 克明

5月24日 M-ZZ42 PALEO研究の最前線とその将来の発展性
・地球システム史におけるテクトニクス-気候リンケージの役割:山岳の隆起とモンスーン強化を例として / 多田 隆治
・粒度別河川堆積物の供給源推定に基づく8Ma以降のタリム盆地の乾燥化の評価とその変動要因(ポスター) / 烏田 明典
・石英のESR信号強度と結晶化度に基づく揚子江流出堆積物の供給源・混合比推定(ポスター) / 齋藤 京太

(齋藤)