2017年11月10日金曜日

週刊葛生 第七十九号 INTERRAD犬山巡検 後編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。

 予告通り、犬山巡検の続きです。

 初日は犬山国際ユースホステルに宿泊したのでしたね。同部屋の中国の先生が私が夜中まで作業をするのに対して寛容に接して頂けてありがたかったです。今回の参加者のみなさんは、あまりに巡検進行に協力的なのにびっくりしましたね。たいていは皆テンションが上がって少しくらいは団体行動を乱すものなのですが。
犬山国際ユースホステルから出発です!


 二日目は、弱い雨が降ったりやんだりする中、まずは岐阜県坂祝市の勝山に向かいました。この辺りもまとめて「犬山地域」として紹介されますが、岐阜県です。

 木曽川の河岸に素晴らしいチャートの露出があり、長い研究の歴史があります。

竹やぶをくぐり抜け、露頭に降り立ちます。


 全日に引き続き、尾上先生、堀先生、小嶋先生に解説をして頂きました。

堀先生(右端)と尾上先生(右から二人目)。


 こちらは色が違いますね。前回出てきた黒い地層にも似ていますが、時代はずっと新しく、ジュラ紀のものです。Toarcianという時代に、突然チャートの色が黒くなる現象が起き、この時代に起きた海洋無酸素事変の証拠と考えられています。
Toarcianの黒い地層です。


 こちらは露出の良いこの地域ならではの一枚。手前から、チャート、珪質泥岩(人がいるあたり)、泥岩(人の奥の草むら)、砂岩(奥の陸地)と岩相が変わって行くのが見えます。なんだかわかります?答えは後ほど。
岩石の種類が変わっているのがわかるでしょうか?


 昼になるにつれて少しずつ天気が悪くなってきました。台風も近づいてましたしね。

雨で濡れるとチャートはデンジャラスです。


 犬山地域は都市部から近く、露出も良いのでかなり簡単な見学地ではありますが、地味に薮こぎや滑りやすい岩などで難易度が低いとは言い切れません。


 こちらでは運動が苦手な人も渡れるよう、大掛かりな仕掛けが地元の教育委員会の方々のご協力で置かれています。
まさかこんな仕掛けまで用意されているとは!

 残念ながら、雨のため良い写真はここまで。


 こちらは、雨が弱まった隙に橋の上から見学した上麻生地域の飛水峡です。こちらも以前に紹介しましたね。その時はとれなかった一枚ですが、ここでも手前からチャート、珪質泥岩、砂岩、と岩相が変化します。
手前のゴツゴツがチャート、右から川が合流するあたりが珪質泥岩、奥の急な川岸が砂岩です。


 これは、堆積場だった海底が、陸から遠く、ほとんどプランクトンの遺骸しか積もらない深海から、少し川からの土砂が届くところ、そしてさらには川からの陸起源の土砂が卓越する堆積場へ移動した証拠なのです。

 そう、プレートテクトニクスですね。


 最後に、巡検翌日の移動日です。この日は、高山を経由したので、白川郷の合掌造りを見学しました。
大雨でも凄い数の人です。

 天気は最悪ですが、かえって趣がありますね。観光客の数も凄いです。

 私は初めて見る合掌造りでした。
風情有りですね。数年前はもっと人が少なかったそうです。


 どぶろくや最中など、特産品もあるようですよ。
とち餅ぜんざいを頂きました。漬け物とのコンビが最高!


 こうして楽しい巡検を終え、台風の迫る新潟に辿り着いたのでした。


 さて、次回は聖地登場です。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。

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