2016年5月31日火曜日

週刊葛生 第三十七号 ドンモの化石編

 みなさんこんばんは。博士1年のMです。

 ずいぶんと間が空いてしまいました。これでは月刊葛生にすらなっていませんね。


 言い訳をすると、ゴールデンウィークの東北調査とか学会とかがあったんで、忙しかったんです。東北調査の方も色々と盛り上がっていたんですが、そちらは指導教員にお任せすることとしましょう。



 ということで、引き続きベトナム。前回は、ハノイで止まっていましたね。

 ハノイからはバスに乗り、北方へ、中国国境方面を目指します。道からはバイクが減り、農村が現れます。

 ところで、ベトナムはずーっと曇っていますね。その雲の間から、石灰岩の奇岩が顔を出します。

石灰岩の山

 凄い量の石灰岩です。
 
民家の裏まで迫る石灰岩


 そして、突然バスが止まり、降ろされました。どうやらドンモ(Dong Mo)という町の近くにある、デボン系の露頭についたらしいとのこと。道路脇の岩石はかなり風化しているようですが、「化石がたくさん出るから、ここで戦意を高めよう」との話です。


 デボン紀の化石は日本では滅多に無いのでさっそく掘ってみると、

訳も分からず、とりあえず発掘



 確かに化石が大量。以下は日本に届いたサンプルの写真を撮ったものです。そう、あまりにブログの更新をさぼっていたら、船でサンプルが届いちゃったんですね。

 いや、化石が届くのを待っていたら、更新が遅れた、って言うのが正しいですね。そういうことにしよう。
 
右下に注目

 ん?何か気づきませんか?

 そう!三葉虫様ご光臨です。人生初めて露頭から三葉虫を見つけ、大感激です。


幅は1 cmくらいの三葉虫のお尻
 
 こちらの石にもだいぶ色々なものが入っています。
 
大量の生砕物が入った泥岩
腕足類とコケムシ
 
腕足類が湧いている
腕足類は複数種いるようだ
コケムシ
 よく見ると、三葉虫の破片がこの石には結構入っています。そういう当たりの層準だったんですね。
 
またまた三葉虫のお尻(幅1 cm弱)
 
こちらは三葉虫の頭の真ん中の部分らしい(幅5 mmくらい)


 わいわいやっていたら、子供たちが集まってきました。お菓子を食べるかな?と思って勧めてみましたが、どうやら「怪しいおじさんにものもらっちゃダメ!!」という教えがたいへん浸透しているらしく、警戒されっぱなしでした。

ベトナムの子供たちは興味津々だが結構シャイ


 最後に露頭で集合写真。案内してくださった熊本大学の小松先生やベトナムの研究者の方々に大感謝です。

集合写真

 小松先生のいらっしゃる熊本大学は先日の地震で研究に影響が出ているそうです。大学を含め、被災地の一日も早い復興を祈ります。


 次回は、この続き。ベトナム北部のランソン(Lang Son)という町へ行きます。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

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