2011年8月2日火曜日

学会参加報告:ICCP2011@Pirth

2011年7月3日ー9日、ICCP: International conference of Carboniferous to Permian が西オーストラリア Perth 西オーストラリア大学で行われました。
この学会では、石炭紀ーペルム紀の時代を研究する研究者・学生が集まり、成果を発表し合いました。中国からの参加者が多かったです。




いくつかトピックを紹介しておきます。

1. 石炭紀ーペルム紀の研究
石炭紀ーペルム紀の時代には氷室期があり、現在に類似した地球環境のシステムがあったと考えられこの時代を研究することは有意義である。
石炭紀ーペルム紀の植物進化は顕著であり、この環境背景も面白そう。特に石炭紀Pensylvania期
カナダ・中国の研究者グループが、詳細な化石年代層序の確立に向けてロシアのセクションで研究が進めている。 カナダ C. Hendersonの講演が時折ユーモアが混じって面白かった。

2.ペルム紀末大量絶滅の研究の新知見
今回の学会参加の主目的です。高橋と池田さんが口頭発表を行いました。
高橋の発表は、深海相のペルム紀ー三畳紀の微量元素の変動がテーマでしが、あとでアメリカの先生に鉛Leadの発音は『れーっど』だと、指摘されました・・・。でも、辞書で発音を調べ直したら「りーっど」だったんですけど・・??

 写真は池田さんの発表の様子です。

コノドントの化学組成の研究 
炭 素・酸素同位体比を組み合わせた同位体比指標(Δ47)をもちいて古水温変動を復元する研究が進められている。しかし、値の変化がコノドントの種によって 復元水温にして数度も異なるため、コノドントが環境変化に従って温度躍層を超えて泳いだのではないかと説明されていた。古水温変動の指標にするにはネクト ンではやや難ありということか。

南中国の浅海相において、前期三畳紀から中期三畳紀までの硫酸塩硫黄同位体比の測定が行われていた。 Smithian -Anisianの間で値が5パーミル減少するらしい。同位体比変動の速度を堆積速度から計算すると、前期三畳紀では早く中期三畳紀では遅いらしい、大 気・海洋の酸素の消費に影響した変化か?

近年、ペルム紀末の大量絶滅後、大陸からの砕屑物供給が増えたという論文が出されているが、このような海洋への泥の供給が珊瑚の絶滅・回復の遅れに寄与したのではないかという考えが出されていた。

3.ペルム紀中期の絶滅事変の研究の進展
オーメイシャン玄武岩の活動時期を放射年代で精密に調べ、ペルム紀中期グアダルピアンーローピンジアン境界の絶滅との同時性を議論していた。結論としては 玄武岩の活動時期の方が先行するらしい。また、この時期に活動した玄武岩はタリム盆地にもあるらしい。烏田君に採ってきてもらおうかな。


次のICCPは4年後ロシアで開催されるそうです。

石炭紀ーペルム紀の層序研究が行われている情報を仕入れたこともあり、行ってみたいです。

また、学会中日には、Perth Core library にて石炭紀ーペルム紀の浅海相のコア試料を見学しました。石油の根源岩なんですね。

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