2018年3月23日金曜日

週刊葛生 第八十八号 ウェリントン周辺編

 みなさんこんばんは。博士2年のMです。


 今回はウェリントンの周辺でみた地質の話です。周辺編、なんて言いづらいですね。


 実はニュージーランド、日本とは地質学的な共通点が多いんです。なので、日本でもみたことがあるような地層が良く見られます。

 まずこちら。


三畳紀のタービダイトです。

 砂岩と泥岩の互層、海溝に流れ込んだ陸起源の砂や泥だと言われています。やや古い時代のものですが、結構きれいに地層がみられます。
教科書に出てきそうなきれいな絵ですね。
 ちなみにこのスケール、テープになっていてノートに貼付けているのですが、指導教員の知り合いが作った代物で、なかなか便利です。


 砂岩や泥岩がいつもきれいな堆積構造を保持しているかというと、そうもいきません。


 この砂岩に挟まれた泥岩は、構造変形でぐちゃぐちゃです。なぜか。

黒い部分が泥岩です。
 付加体だからですね。日本と同じように、ニュージーランドも太平洋の海洋プレートが沈み込みながら、その上に有ったものを陸側に押し付けているところでできたからです。


 ということは当然、あれもある訳です。


上の白いのはチャート、下の灰色のは珪質粘土岩です。

 こちらの写真のチャートはかなりキテいますね。薄い灰色の粘土岩は、火山灰を含むのかもしれません。



 さらに、海洋プレートに属していた玄武岩もあります。


左の黒いぼこぼこしたのが海底でできた枕状玄武岩です。右の赤いのはチャートです。

 しかしまあ、崖というのは日本だろうがニュージーランドだろうがあまり見た目は変わりませんな。


この下に歩道があるって言うのはちょっと危険な感じでしたね。


 ニュージーランドでは断層でできた地形が日本よりも目立つ気がします。森が無いからでしょうか。


ニュージーランドは木はあまり生えていません。

 こちらの何の変哲も無い崖ですが、


 別の角度からみると、断層面に沿っていることがわかります。



よく見ると、発電機の少し右に、右下へ急に傾斜した断層面が見えます。


 つぎは、閉山した採石場です。
灰色部分は砂岩、黒い部分は泥岩です。やや変形しています。
 たくさん断層が見えますね。
中央に大きな断層があります。断層の周りでは地層が強く変形しています。
 これはかなりでかいです。こいつは付加体が作られた時にできたものかもしれません。


 一日フィールドで頑張ったら、
ビア!


素敵なステーキ!

 ですね。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

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