2012年6月24日日曜日

地中海掘削計画シンポ @ JAMSTEC

皆様お久しぶりです。M3の烏田です。

今から3週間程まえの出来事ですが、
記事を書きかけのまま放置していました。。
現在7月から始まる水月湖掘削に向けた準備等で大変ですが、
ようやく時間が取れましたので仕上げて載せたいと思います。

今回記事ににするのは
6/4-7にかけてJAMSTECにおいて開催された地中海掘削計画シンポジウム。

多田先生、高橋先生(午前中のみ)、烏田が参加しましたのでその模様を
お伝えしようと思います。

今回のシンポジウムはIODP(International Ocean Drilling Program 国際海洋掘削計画)
へ新しい計画応募に向けて研究計画の周知と研究計画のrefineのために
横浜で海外の研究者を交えて開かれたものです。

木曜日まで開催されており、多田先生は参加されているのですが、
自分は月曜の地中海に関連するレビューのみを聞きました。

今回の研究計画のメインターゲットは
Messinian Sanility Crisis(MSC)と呼ばれる590-530万年前に
地中海で海が干上がったイベント。

実は自分も多田先生からこのシンポジウムを教えて頂くまで知らなかったのですが、
結構大規模なイベントということが今回のシンポを聞いてて分かりました。

概要としては
①ジブラルタル海峡(スペイン-モロッコ間の大西洋と地中海を結ぶ海峡)が閉じる。
②海水流入がなくなる
③地中海が干上がる (自分は完全に干上がるということを想定してましたが、
そうではなく地中海全域が現在の死海のようになったと思って頂ければ
イメージとして合うはずです。)
④ジブラルタル海峡が再び開いて海峡から海水流入して元に戻る

という形になります。
この③の時代に地中海の深海に大量の"塩"が堆積していることが分かっており
深海掘削でこの層準を掘ろうというのが今回の計画のあらましになると思います。
 
今回のシンポジウムを聞いてて一番勉強になったのが
ある大規模研究計画に対して、 ”どのようにして研究計画の価値を高めるか?”
という流れを体感できたことかと思います。

今回の研究計画では価値を高めるために、掘削して得られるものから
①テクトニクス(構造地質)に関する研究意義
②古気候に関する研究意義
③微生物に関する研究意義
 の大きく三つ分野の研究意義を集めてまとめようという流れが見えました
(自分の理解が正しければですが。。。)

同じものでも見る人によって面白さが変わるのが研究の面白い所ですよね。
今回自分がシンポジウムに参加したのも別の目的(自分の中央アジアでの研究との関わりがあるかどうか知る)でしたし。

この計画が実現されることを願うばかりです。

あと4日にはBBQが開催され、そちらにも参加をしてきました。
と言っても自分はずっと肉を焼く係をしており他の方々とあまり交流することができなかったので詳細は割愛させて頂きます。。


気づいたらあと来週には中川先生が日本に来られ、10日後には水月の掘削が始まります。
時間経つの早い。。

今まさに水月掘削の準備の真っ最中ですので、今度は掘削の準備について記事にしましょうかね。

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