さてさて、今回は何回か前にやった国際会議IGCP630の巡検の続きの話です。
葛生で巡検があった話をしましたが、その後第二弾の巡検が岩手県岩泉の安家で行われ、私も案内者の一人として参加しました。こちらでも紹介されていますが、我が研究室の公式な広報機関はこのブログですからね。ちゃんと紹介しておきましょう。
でも、まじめな話はあちらに任せておきますね。
さて、岩泉の安家地域では我らが高橋聡先生が卒論の頃から研究を行ってきました。
というわけで、
高橋先生がメインの解説者を務めます。 |
さらに、高橋先生にコノドントを教えた宮崎大学の山北先生も昔からこの地域の付加体を調査しています。
チャートを割ってコノドントを探す山北先生(左)と中国のコノドント専門家のZhao Laishi教授(右)。 |
私もこの方々に野外でのコノドントの探し方を教わったのですが、山北先生や私がチャートを割ってコノドントを見つけているのを見て、海外からの参加者たちも次々と参戦します。
中国代表前衛。 |
中国代表後衛。 |
イギリス代表。 |
オランダ代表。 |
結果は20対0くらいで日本代表の圧勝でしたね(笑)まあ、そんなにすぐに皆ができても困りますからねぇ。でもみなさん楽しまれているようで何よりでした。
それに、良く晴れていたのもラッキーでした。コノドント探しに必要なの執念と光と
参加者のみなさんのもっぱらの関心は、深海堆積岩層中のペルム紀−三畳紀境界です。そもそも、この時代に起きた生物絶滅事変を題にした会議ですからね。
深海堆積岩層中のペルム紀−三畳紀境界を前に。 |
高橋先生は露頭だけでなく、我々の調査道具も自慢していました。
秘密兵器です! |
説明のあとには、皆で集合写真。
葛生巡検の集合写真よりも迫力があるのは、気のせいですね。 |
高橋先生も満足そうですね。
巡検2日目には、さらに古い石炭紀にできた深海堆積岩層も観察します。
石炭紀のチャートは、日本でも珍しい方です。 |
草とネットの合間から見えるへぼい露頭を観察するというジャパニーズスタイルも、葛生から一緒の参加者は慣れてきたのかもしれません。
それから、1日目とは異なるところにある、“もう一つのペルム紀−三畳紀境界”も見ました。こちらは私も初めてです。
大鳥集落付近にある“もう一つ”の方。 |
ペルム紀−三畳紀境界はもちろん皆の注目の的でしたが、そもそも深海堆積岩の層状チャート自体が海外の研究者にとっては珍しいものなので、堆積物としての特徴についても色々と質問を受けました。
日本の地質の「当たり前」を知らない地球科学の専門家に納得してもらえる答えをするのはなかなか能力が試されます。 |
2日とも晴天に恵まれ良かったです。
ペルム紀のチャートの上で記念撮影。 |
見学後にはいつも調査の拠点としている安家松林の集落内にて休憩しました。この巡検自体も岩泉町の皆様に大変なご協力を頂いて成立しました。感謝が絶えません。
修復されたばかりの路肩が見えています。 |
昨年の台風被害の爪痕も残る中、巡検を受け入れてくださったこと、ありがたい限りです。最後に参加者の多くはお礼の気持ちもこめて集落内の売店でビールを買ってお金を落として行きました。
それでは、ごきげんよう。さようなら。
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