2015年5月29日金曜日

週刊葛生 第十三号 調査道具・上級編

 みなさんこんばんは。修士2年のMです。



 昨日で、五日間の地球惑星科学連合大会が終わりました。

 週刊葛生ではそれとは関係なく、調査道具の紹介を続けていくこととします。



 と、言うものの、思いのほか写真が少なかったので、今日は短めです。


 では、始めましゃう。


ケルヒャー

 露頭に水を発射して土ぼこりを除けます。作業中はこんな感じ。



 ケルヒャーが無ければこういう原始的パワーを使う方法もありますが。



 しかし一度ケルヒャーに慣れるとあの威力は病み付きになりますね。



 なんだかこの方に似てますね。


徳間書店『風の谷のナウシカ』より



電動グラインダー・カッター

 露頭を削ったり切ったりして、新鮮な面を露出させます。水をかけながら使いましょう。でないと土煙が大変なことに。





エンジンちゃん

 ケルヒャーやらグラインダーやらを動かすにはこれが必要です。出力には注意して使いましょう。


 他にもマニアックな道具はいろいろあるのですが、一つ一つを分かりやすく写した写真は無いので、この辺で終わります。最後に、怪しげな道具が大集合した様子を見せておしまいにします。





 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2015年5月24日日曜日

地球惑星科学連合大会発表スケジュール

 こんばんは。

 最近は週刊葛生が幅をきかせているようですが、ここで流れを切ります。

 本日から地球惑星科学連合大会が幕張メッセで開催されます。多田研メンバーの発表予定をまとめてお知らせ致しますので、大会に参加される方はぜひ見にいらしてください。


 ・M-IS30 遠洋域の進化
     9:00 武藤

足尾帯大釜セクションにおける下部−中部三畳系境界付近の遠洋性深海堆積物の微化石・炭素同位体層序」

     9:15 高橋
Non-sulphidic anoxic conditions in the end-Early Triassic deep sea」

     18:15(ポスター) 内田

西南日本丹波帯に見られる下部ペルム系遠洋深海相層序の確立」

 ・B-CG28 生命-水-鉱物-大気相互作用
     17:15 綱澤

砂岩の吸水速度とその律速過程」

5月27日
 ・H-CG35 堆積・侵食・地形発達プロセスから読み取る地球表層環境変動
     9:15 多田

堆積物組成への化学風化の影響を粒度および原岩組成の影響から分離する:揚子江堆積物を例として」

 ・M-IS28 東アジア‐北西太平洋域高解像度古気候観測網
     11:00 多田

高解像度古気候観測網:その戦略と展望」

     14:30 烏田

IODP Exp.346日本海第四紀半遠洋性堆積物の明暗層に基づくコア間、サイト間精密対比とその応用」

 ・A-AS21 大気化学
     15:30 森

水中に含まれるブラックカーボン粒子の測定法の確立と東京地上観測」

5月28日
 ・M-IS28 東アジア‐北西太平洋域高解像度古気候観測網
     9:00 黒川

中期中新世女川層に見られるorbital-scaleの堆積リズムとmillennial-scale変動の関係」

     9:45 齋藤

揚子江洪水史復元のための下流部砂州堆積物掘削(YD15)概要」

     10:00 王

Provenance variability associated with East Asian Summer Monsoon precipitation change during the middle to late Holocene」

     10:30 鈴木

水月湖堆積物中の河川起源砕屑物フラックスを用いた降水量変動復元手法の開発」



 よろしくお願いいたします。

2015年5月22日金曜日

週刊葛生 第十二号 調査道具・中級編


 みなさんこんばんは。修士2年のMです。




 来週は地球惑星科学連合大会ですね。頑張りましょう。

幕張だって、頑張ってんだから!



 さて、週刊葛生はツーフーに前回の続きをやりますよ。

 今回は、調査道具・中級編ということで、普通持ってないけど、持ってくと結構便利なものを紹介していきます。


クワ

 片手で持てるサイズの、備中鍬と根切り鍬がついたものです。露頭を掘り出したり、邪魔な雑草をどけたり、地均しをしたりと、何でもできます。おすすめの一品です。



シャベル

 露頭が無ければ作るのみです。折りたたみ式だと持ち運びに便利。ただ、安物は折れる部分に土が詰まって動かなくなります。



指つぶし

 正式名称はクラックハンマーです。高い攻撃力と耐久力を兼ね備えた優秀な武器です。名前の由来は…



 そう、お察しの通り、ミスるとこうなるからです。使うときにはぜひ気をつけましょう。



バール

 まぁ、色々な用途があります。とにかくこういう武装蜂起した民衆が持っていそうなものは何かと使えるんです。



ポーチ

 写真の右と左どっちかって?

両方だよ、お嬢さん。
by ポルコ in 紅の豚

 鞄からいちいちものを出し入れするのは大変なので、頻繁に使う筆記用具やらフィールドノートやらはこうして腰回りに付けるのが良いです。正直これは初級編に入れても良いレベルでしたね。

 あるいは、こちらの御仁のようにポケットがたくさんある作業用ベストを着ていくのもイイですね。





ノコギリ

 切っていいなら邪魔な木は切っちゃいましょう。




 そして邪魔な枝は払う。



タンク

 近くに水場が無ければこれで水を運んできます。ためた水を一気に露頭にかけて地層を洗い出すこともできます。それに、


 ほら、椅子にもなる。



黒板

 野外で授業ができます。


んな訳ねぇだろ、えー!?

 写真を撮るときに何の写真か分かるようにしてるんですね。スケールも貼っちゃえばさらに便利。黒いボードなら、写真で白飛びしないので使いやすいです。



沢足袋

 露頭はしばしば沢沿いによく露出するので、沢の中を歩くこともあります。そんなときはこれが便利。



スパッツ

 靴の中に土砂や木の枝が入ると不愉快ですから、こうしてスパッツでガードするとイイですね。



 ま、こんなところでしょうか。


 こんどは上級編でもやりますか。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2015年5月15日金曜日

週刊葛生 第十一号 調査道具・初級編

 みなさんこんばんは。修士2年のMです。


 5月はだいぶ暖かい日が続いてまね。この日が長い時期はフィールド調査にもってこいですね。でも今週末は五月祭の我が学科の展示を見に行きましょう。こちらです→http://ut-eps2015.wix.com/terrashouse



 野外に行くにははまず、装備をきちんと確認しとかないとまずいですな。



 と、言う訳で今回から、調査道具について何回か連続で掲載していきます。今回は、初級編。まあ、まず初めに持っておくべきもの、と行ったところでしょうか。とは言え、調査の目的によって、持っていくべき道具の優先順位は違いますが。


 ちなみに、安全第一系の持ち物については前にも軽く紹介したので、http://tada-takahashi-lab.blogspot.jp/2015/02/blog-post.htmlを見てください。


 それではいきますよ。


フィールドノート

 これが無いと、何しに来たんだか解りませんね。筆記用具ももちろんセットで。最初にハンマーが来ると思った人、こっちがもっと大事です。石を割るのは手でもできます。



ハンマー

 手なんかで石が割れる訳ありません。地質をやるなら、必需品でしょうね。石を割るときには、ハンマーヘッドの角でえぐるようにして打ちます。



ルーペ

 岩石の粒子や、小さい構造、化石等を見るのに使います。ちなみにルーペにカメラを当てただけで上のような写真が撮れます。十分明るくすれば。


クリノメーター

 文字盤の西と東の表記が逆になっている、不思議なコンパスです。使い方を知りたければ、東京大学本郷キャンパスで開催される五月祭のこちらの企画<http://ut-eps2015.wix.com/terrashouse>に行き、聞いてみてください。「クリノメーターってなぁに?」って。


タガネ

 石を割って中を見るだけならともかく、試料採取にはタガネが欲しいですね。複数のサイズのものをこんな感じで収納しとくと便利。




カメラ

 ノートと合わせて記録に活用します。野外ではゴミが入ったりぶつけたりするので、アウトドア用のデジカメが一番かもしれないですね。起動時に円筒型のレンズ部が動いてでてくるタイプは、砂が詰まって動かなくなること必至です。


折れ尺


巻き尺

 写真を撮るときのスケールや、地層の厚さを測るのに使います。折れ尺の方が何かと壊れにくいですが、巻き尺は地面に置いて測線の長さを測るのに便利です。


サンプル袋

 要するにただのジップロックですが、厚手のものが良いです。薄いビニールは石の角で切れます。複数のサイズがあると便利ですね。


地図

 ノートと合わせて記録に使います。また、調査先は道があるとは限りませんし、GPSだけに頼るのは微妙ですね。したのように地質図の写しを書き込むこともあります。





雨具

 晴れ男・女力に揺るがぬ自身があるなら結構ですが、まあ天気は操れませんからね。折り畳み傘もあれば、休憩中に雨宿りできます。


スケールプロトラクター

 分度器+定規的な機能を持つものです。地図に地層の向きを書き込んだりするのに使います。


 まあ、言い漏らしたものはあるでしょうが、とりあえずこんな感じですかね。



 次回は、中級編が続きます。


 それでは、ごきげんよう。さようなら。