多田です。統合国際深海掘削計画(通称IODP)による日本海、東シナ海掘削のための航海Exp 346 に主席研究員として参加しています。航海の目的は、日本海及び東シナ海の堆積物を連続的に採取し、アジアモンスーンとそれに伴う気候、環境変動を過去1000万年間以上にわたって高精度で復元すること、復元されたアジアモンスーン変動がヒマラヤチベットの隆起やそれに伴う偏西風経路変動とどう関係したのかを明らかにすることにあります。
航海には、日本(8名)、アメリカ(11名)、ヨーロッパ(7名)、韓国(3名)、中国(2名)、オーストラリア、ブラジル、インドから各1名の合計34名の科学者が参加し、24名の支援スタッフ、63名の乗組員の協力のもと、アメリカの科学掘削船Joides Resolution (JR)号(18,000t)を使って、7月30日~9月29日までの2か月間に渡って行われます。掘削は、日本海で7地点、東シナ海北部で1地点を予定しており、合計で約6kmの厚さの堆積物(柱状に掘りぬいたものをコアと呼びます)を掘りぬく予定です。8月2日にアラスカ州のバルディスを出港し、2週間かけて南下し、本日(8月17日)にやっと日本海に入りました。長い移動期間ではありましたが、おかげで書く研究者が船上での観察、記載、測定、試料採取、保管などの一連の作業の手順やコンピューター、分析機器の操作法に習熟すると共に、乗船研究者同士がお互いの専門や興味、性格などについて良く理解し合うことが出来、とても有意義だったと思います。準備が万端に整い、あと数時間でいよいよ最初の掘削地点JB-1(北海道北部沖)に到着します。
JR号 バルディスにて
烏田君も頑張っています。(左:池原さん(産総研)。右:佐川さん(九大))
航海の様子は、http://www.facebook.com/JapanDrillingEarthScienceConsortiumに随時報告しています。
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