2015年2月12日木曜日

週刊葛生 第六号 コノドント探し編

 みなさんこんばんは。修士1年のMです。

 今日は、ちょっと室内作業の話でもしようと思います。皆さん、私は野外でしか仕事してないと思ってたでしょ。そんなことないもん。

 例えば何をするかというと、地層の時代を決める化石を出したり、岩石を観察、分析するための試料を作ったりする訳です。そんな中でも、時代を決める作業はわりとはじめに行います。探す化石は放散虫とコノドントの2種類ですが、今回はコノドントの話です。

 野外でも、コノドント化石を見つけて時代がわかる場合もあるという話は前にもしました。(気になる人は第二号を見てください。)しかし、野外で十分なデータを得る時間はないので、めぼしい場所からはサンプルを採って帰り、室内で続きを行います。

 まずは、サンプル数キロを小さく割ります。
 そして、このがれきの中から化石を見つける訳です。そのための秘密兵器がこれ。
 ヘッドランプでパワーアップした、80倍の実体顕微鏡です。こいつを使った作業の手順は、こんな感じ。
 机が汚いですが、これは学部時代だからですね。そうして探すと、こんな感じでコノドントが現れます。写真の横幅が2ミリくらいです。
 だいたい9割5分はゴミ袋にポイされますが、いるところにはいます。下の写真は低倍率で、◯の中に化石がいます。

 時々、見つけたやつが半分埋もれかけてます。

 使えないやつはほっときますが、優秀な示準化石なら針でつついてほじくります。こんな具合に。
 もういっちょ。
before
after

 ここまでのやつは見つけやすいですが、保存状態によっては見つけづらいものもあります。例えば、白っぽくなってるやつ。
 こういうのは濡らすと透明になって見えなくなっちゃうので、乾いたまま探します。

 それから、こちらは化石が溶けて穴だけになっています。


 どうです?皆さんもコノドントを探してみませんか?この写真でどうでしょう?嫌な人はスクロールしてください。
 この中に、複数匹隠れてます。ちなみに、今までの写真より倍率は5分の1くらいです。

 それから、こっちの写真は高倍率で、コノドントが一匹います。
 まあこんなに輪郭が怪しいやつは、研究成果として報告されることも無いんですが。





 どうですか?見つかったでしょうか?


 ちなみにこれが答え。

 どうでしょう。もう二度と探したくないと思いましたか?では、これがコノドントとの今生の別ですね。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。

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