2015年2月20日金曜日

閑話休題-八木調査

はじめまして、多田研新顔のB4内田です。
週刊葛生の更新を待ちわびていた方も多いと思いますが、
今週は私が担当させていただきます。

私の卒論の最終提出は今月末に迫ってきました。
そこで今週はその卒論のために行った野外調査の報告でもしようかと思います。

2014103日~7日、京都府南丹市八木町にて野外調査を行いました。

調査地域はこんな感じ。

数多くの観光名所がある京都市街!!
…から西にひと山越えたところにある、八木町船枝という地域です。
ええ、もちろん学術調査のために行っただけなので、観光などし…て…ません。
(実際調査後直帰でした。)

泊まった宿も京都らしく、純和風な感じでした。

宿の方、大変お世話になりました。

私だけ6時間ほど先に現地入りして、周辺調査をしていたのですが、
宿の方のご厚意で、お孫さんがかつて使っていたという自転車を貸していただきました。
近くの小学生とすれ違った時、なぜか防犯ベルを鳴らされたのも今となってはよい思い出。

調査は、山の中をぐいぐい進んで…

週刊葛生第五号にあったように、装備はばっちりですね。

露頭発見!
かなりデカいですね。

写真は露頭のほんの一部です。全部はとても写真には収まりきりません。
ちなみに右下が自分です。念のため。


チャ、チャアトだ…赤い露頭だ…

赤いチャートが層状に重なっているのが分かるでしょうか。
よくみるとチャートとチャートの間に何か薄い層が挟まっているように見えます。
この、チャートと薄い層が交互に重なり、それが10メートル近く続いているのです。

こんなところで調査をしてきました。
少し雨に降られることもありましたが、ほぼ順調に調査を終えることができました。


神々しいですね。

あまり調査に来たぜ!って感じの写真を撮っていなかったので、
調査に協力してくださった先生、先輩方から一部写真をいただきました。
次の調査からはもっとたくさん撮ろうと思います。

それではこの辺りで失礼いたします。
   

2015年2月12日木曜日

週刊葛生 第六号 コノドント探し編

 みなさんこんばんは。修士1年のMです。

 今日は、ちょっと室内作業の話でもしようと思います。皆さん、私は野外でしか仕事してないと思ってたでしょ。そんなことないもん。

 例えば何をするかというと、地層の時代を決める化石を出したり、岩石を観察、分析するための試料を作ったりする訳です。そんな中でも、時代を決める作業はわりとはじめに行います。探す化石は放散虫とコノドントの2種類ですが、今回はコノドントの話です。

 野外でも、コノドント化石を見つけて時代がわかる場合もあるという話は前にもしました。(気になる人は第二号を見てください。)しかし、野外で十分なデータを得る時間はないので、めぼしい場所からはサンプルを採って帰り、室内で続きを行います。

 まずは、サンプル数キロを小さく割ります。
 そして、このがれきの中から化石を見つける訳です。そのための秘密兵器がこれ。
 ヘッドランプでパワーアップした、80倍の実体顕微鏡です。こいつを使った作業の手順は、こんな感じ。
 机が汚いですが、これは学部時代だからですね。そうして探すと、こんな感じでコノドントが現れます。写真の横幅が2ミリくらいです。
 だいたい9割5分はゴミ袋にポイされますが、いるところにはいます。下の写真は低倍率で、◯の中に化石がいます。

 時々、見つけたやつが半分埋もれかけてます。

 使えないやつはほっときますが、優秀な示準化石なら針でつついてほじくります。こんな具合に。
 もういっちょ。
before
after

 ここまでのやつは見つけやすいですが、保存状態によっては見つけづらいものもあります。例えば、白っぽくなってるやつ。
 こういうのは濡らすと透明になって見えなくなっちゃうので、乾いたまま探します。

 それから、こちらは化石が溶けて穴だけになっています。


 どうです?皆さんもコノドントを探してみませんか?この写真でどうでしょう?嫌な人はスクロールしてください。
 この中に、複数匹隠れてます。ちなみに、今までの写真より倍率は5分の1くらいです。

 それから、こっちの写真は高倍率で、コノドントが一匹います。
 まあこんなに輪郭が怪しいやつは、研究成果として報告されることも無いんですが。





 どうですか?見つかったでしょうか?


 ちなみにこれが答え。

 どうでしょう。もう二度と探したくないと思いましたか?では、これがコノドントとの今生の別ですね。

 それでは、ごきげんよう。さようなら。

2015年2月6日金曜日

週刊葛生 第五号 安全第一編

 みなさんこんばんは。修士1年のMです。

 こちらでは今日修士論文発表会が終わりました。皆さんお疲れ様です!


 ところで、学位論文の時期には大学のあちこちに

「追い込みによる事故に注意!」

みたいな張り紙があります。と、言う訳で今日のテーマはこちら。

 野外調査での安全第一あれこれを見せて行こうかな、と思います。


 まず当たり前ですが、みんなヘルメットをかぶること!
 落石だけでなく、山ではシカやイノシシが石を落としてくることもあります。葛生の露頭では真上がシカの通り道になっていて、時々石が落ちてきます。

 それから、手には軍手を着用しましょう。
 よくハンマーで石をたたいていると、彼らの返り血を浴びます。やわらかい石なら大丈夫ですが、硬い石だと手の色々なところに裂傷を負います。あまりに硬いと、叩く勢いも強く、飛んでくる飛沫の勢いもその分強いのもあり、軍手越しにも打撲します。口に入ると歯が折れたりします。あ、だからメガネとかで顔を守るのも大事ですね。
「ね。」

 さらに、急な場所で作業をするときにはロープを張ると安心です。
 ここはロープがないと入れません。まあ、ロープと言うか紐ですが。これは。
 ほら、左手で頑張ってつかんでるでしょ?

 可能なら、斜面に階段も作っちゃいましょう。
 初めはめんどくさいですが、あとあと色々な作業が楽になります。

 そして、いつ危ない目に遭うか分からないから、集中力を切らさないように。


 少し雑ですが、今回はこんなところで。物足りない人は、これで我慢してください。

 そしてちょっとムーディーに。



 それでは、ごきげんよう。さようなら。